アニメの殿堂は政権末期の象徴(第79回2009年6月15日)

先月成立した補正予算で、「アニメの殿堂」に117億円の巨額予算がつきました。鳩山由紀夫代表は幹事長当時、代表質問で「国営マンガ喫茶のようなもの」と批判しましたが、当の漫画家たちからもアニメ作家からも異論が噴出している計画に対し、国民が納めた税金から巨費を投じるのが今、緊急に必要なことなのでしょうか。

自民党内にも「執行を停止するべき」と発言した議員がいましたが、大勢は「決まったことに何を言う」と批判的です。これが政権交代が必要な理由です。無駄だと思っても、政府が決めたことは変えられない。変えようと言えば袋叩きにあう。国会議員でもそうなのですから、官僚ならばなおさらです。

現役の官僚は、すでに時代に合わなくなった多くの政策を知っています。変えた方がいいと思っていますが、先輩たちが決めた政策に異を唱えることは難しいのです。役所の先輩はふつうの社会の先輩とは違います。自分が課長・局長になった後、退官して「天下り」していく先の法人で、総裁や理事長を務めているのです。つまり、天下り・渡りのルートを断ち切ることは、無駄を排除して官・民の格差を解消するだけでなく、必要な政策を的確に実現するためにも必要なのです。そして政権を交代しなければ、この大胆な改革は実現できないからです。

 

◆ 消費税12%、社会保障費2200億円削減! ◆

霞が関では来年度(2010年4月〜11年3月)の予算編成作業が始まっています。毎年9月に、各省庁は財務省に「概算要求」をおこないますが、その目安になる基準を「骨太の方針」として決定します。最近、その素案が発表されましたが、「消費税は(将来)12%が必要」「社会保障費2200億円抑制を続ける」と言った、世論と隔絶した認識が示されています。さすがに自民党内でも批判が出ていましたが、経済不況と格差社会に真剣に対峙する姿勢が全く見えません。

他方で、アニメの殿堂には巨費を投じ、官僚の天下り先に3兆円近くも支出する補正予算に対する反省はどこにもありません。「政権交代」が次の総選挙の最大争点に浮上しているのに、それでも「国民の生活が第一。」とは無縁のハコモノ建設という愚策を通してしまう。まさに超長期政権に慣れきった自民党・官僚政権が末期症状を呈し、弛緩(しかん)の極みにあるといえるでしょう。

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