2兆円のバラマキ撤回を!(第71回2009年1月17日)

究極のバラマキと評されて、国民や市町村の支持もほとんどない(読売新聞の世論調査では78%が反対)2兆円の定額給付金を含む第2次補正予算案が、1月13日、強行採決で衆議院を通過してしまいました。全野党が反対する2兆円のムダづかいは、参議院では可決されません。しかし、衆議院の優越が規定されている予算案は30日後(2月12日)に自然成立、関連法案は60日後(3月14日)以降に衆議院で3分の2以上の賛成があれば再議決で成立します。

この2兆円は、最初は「生活支援のため」とされ、所得制限で迷走したあげくに麻生首相の発言がぶれ、今では消費を刺激する景気対策だとも説明されています。しかし、GDPの押し上げ効果は僅か0.1%しかありません。最近、麻生首相は0.2%と言っていますが、これは0.15%と説明した数字を四捨五入して切り上げたものだと担当官僚が認めている上に、消費されるのが前提だった地域振興券の例をもとに推計しているに過ぎないのです。現金(または振込)で支給される定額給付金の場合、消費に回る率はさらに低いと考えるのが当然です。

生活支援が目的なら、本当に必要な人に、直接的効果があがる方策をとるべきです。消費の刺激なら、もっと目的にそった方法があります。中小企業対策や雇用対策等も、より有効な手段が考えられます。産科・小児科医療対策や介護の充実、太陽光発電への助成等々、2兆円の定額給付金は撤回し、個別・具体的な政策に振り向けるべきです。

 

◆ 支給にかかる経費が860億円! ◆

私たち民主党は、定額給付金を第2次補正予算案から切り離すなら、他の項目は賛成する用意があるとし、修正案を提出していました。しかし麻生内閣は問答無用で、話し合いすら拒否したのです。他の項目の中には必ずしも全面的に賛成できないものもありますが(高速料金の割引は全車種・無料化にすべき、など)、首相もいうスピードを重んじて容認する方針でした。

新聞各紙の論調もこの考えを支持し、政府に定額給付金撤回を求めています。財界の指導者からも同様の意見が出ています(元東芝会長の西室泰三氏が財政制度等審議会で発言)。自民党内も一枚岩ではありません。渡辺喜美、松浪健太議員に続く造反予備軍もいます。

定額給付金支給の実務は、市町村に丸投げされています。年度末の業務繁忙のときに、また住民移動も多いにもかかわらず重い責任のともなう作業は、「国の思いつきは地方の迷惑」に他なりません。すでに多くの自治体で実施・検討している独自の対策への財源とする方が効果的です。

政治家は退く勇気をもたなくてはなりません。政府や与党のメンツを捨てられるかどうかが、麻生首相に最も必要な決断だといえます。

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