16.2005年6月29日 国土交通常任委員会「航空法の一部改正案について」

(衆議院第18委員室 9時10分〜9時50分)

●橘康太郎委員長 松崎哲久君。

●松崎哲久委員 民主党の松崎哲久でございます。
玉置委員に引き続きまして、航空法の一部を改正する法律案について質問させていただきたいと思います。
私は、まず、ドアモードの変更ミスの件について、局長から少し事実関係を教えていただいた後に大臣の御答弁を求めたいと思います。その次に、閉鎖した滑走路への管制官のミスの問題、この件についても局長に事実関係を教えていただきたい。さらに、それを踏まえましてまとめのところで二、三議論させていただきたいと思います。そのときにまた大臣に御答弁をお願いしたい、このように考えております。
最初は、3月16日に起こりました日本航空インターナショナルの羽田―新千歳便、羽田空港を出発の際にドアモード変更を客室乗務員が忘れた、それに対して報告があったかのように錯覚し、そういうような出来事だったわけですけれども、報道あるいは一般質疑の中でも既にいろいろやりとりがございました。私たちもそうですけれども、一般国民の目から見まして、どうしてこういうミスが起こるのかと全く不思議なんですね。
客室乗務員は当時6人いらしたわけですが、皆が皆ドアモードを変更したと思い込んだということで、また、その報告、変更しましたという報告があったと思い込んだ、それからさらには、機長も変更したと思い込んだというような、余りにも単純過ぎるミスがなぜこの飛行機の中で起こったかというのが不思議なわけです。
もちろん、幸いにして事故にはつながらないわけですけれども、ある意味でいうと素人目にもわかりやすい出来事だっただけに、今よく言われておりますヒューマンエラーの問題として、こういうことからまず検証することによって重大な事故が起こらないような体制をつくっていけるんじゃないかというふうに考える、そういう視点で質問させていただきたいと思います。
最初に、このとき客室乗務員は6人だったということですが、どういう方たち、お名前とかは言う必要ないわけですけれども、勤続年数の問題、どういう勤務経験を持たれた方たちがこのとき乗っていたのかということを局長に伺いたいと思います。

 

●岩崎貞二政府参考人(国土交通省航空局長) その便に機上しておりました6名の客室乗務員でございますけれども、先任の客室乗務員、これは23年8カ月勤務のベテランでございました。それから、それをサポートする一般客室乗務員でございますけれども、1名は10年7カ月勤務していた者でございます。残り4名のうち、2名は1年9カ月、それからさらに最後の2名が8カ月の勤務経験があった、このように聞いておるところでございます。

●松崎委員 この乗員の配置というのが素人の印象としては非常に不自然に考えられるわけですね。常識的に考えると、先任客室乗務員、ベテランがいて、それから中堅がいて若手がいるというのが、6人のチームであれば普通はそういうふうに構成されているものだと思い込んでいるわけですけれども、特に、1年9カ月の方が2名、さらには8カ月しか経験がない方が2名ということは非常に不思議に思えるんですが、我々は専門家ではないわけなので、専門家の目には普通に見えるのか。つまり、航空行政を担当されるお立場からこれは不自然でないと感じられるのか。
それから、これがこの機の、この便の、たまたまこういう状況であったのか、日本航空インターナショナルの乗員の配置というのはこれが常態であるのか、普通の形態であるのか。あるいは、全日空、あるいは日本航空ジャパンの場合はどうなのか、その辺についてお伺いしたいと思います。

●岩崎政府参考人 私どもも、それぞれの客室乗務員の配置がどのような形かというのは詳しくは承知しておるわけではございませんけれども、全般に申しますと、日本航空インターナショナルについてはこういう配置が比較的多い、このように聞いております。この理由は、日本航空インターナショナル、御案内のとおり、国内線も一部飛ばしておりますけれども、基本的に国際線を飛ばしておりますので、比較的入ったばかりの新人をまず国内線で飛ばせて、2、3年経験を積むと国際線の方に充てていく、このようなことをしているので、ベテラン、それから若い人たちという組み合わせになることが多い、このように聞いております。
同じ日本航空グループでも、旧JAS、JALジャパンでございますけれども、こちらの方は国際線というのが基本的にないものですから、比較的年齢構成はもう少し中堅層も含めた形で飛んでいるのが常態でございます。
全日空につきましては、日本航空インターナショナルほど国際線があるわけではございませんけれども、やはり国際線をそれなりに持っておりますので、ちょうど今申しましたJALインターとJALジャパンとの中間ぐらいの形態で客室の配置を行うことが多い、このように聞いておるところでございます。

●松崎委員 日本航空インターナショナルの場合には国際線があるから中堅の方はそちらへ行ってしまうからというのは、なるほど現象としてはわかりますけれども、では、それが乗員の配置として適当なのかということは別問題だと思います。
それから、客室乗務員というのはある面では安全保安要員という役割もあるわけですから、そうすると、余りに経験がない者ばかりであるということについてやはり不安を感じる。そうすると、国際線は優遇されているけれどもどうも国内線については危ないぞみたいなことを一般の乗客の方々が思われることのないように、ふだんはどういう年齢構成かなんということを考えもしないで我々は乗っているわけですけれども、その辺、安全上の問題がないのかというようなことについてはもう少し御検討をいただく必要があるんじゃないか。これは会社の問題でもありますけれども、航空行政としてどうなのかということも伺いたいと思います。
新人であっても十分に研修されているから大丈夫なんだということも会社は言うかもしれませんが、そうすると、研修というのは実際に勤務する前にどのぐらい研修期間というのがあるんでしょうか。この8カ月の方というのは、8カ月乗る前にどのぐらい業務に習熟しているのかということを伺いたいと思うんです。

●岩崎政府参考人 客室乗務員、大体各社共通でございますけれども、おおむね2カ月の教育訓練を受けた後、業務につくということになっております。
私ども、今回ドアモードの変更ミスがあったということにつきましては、客室乗務員の配置が直接問題であったというよりも、むしろ、客室乗務員がドアモードを変更するということが安全上本当に必要なことかどうかということについての教育訓練なんかが十分ではなかったのか、このような疑問を持っているところでございます。単に、ドアモードというのは変更しなければいけないという程度の教育をしていたのではないか、ドアモードの変更をちゃんとしないとこういうトラブルにつながるといった、中身まで含めてきっちり訓練をしていたかどうか、このようなことについて少々疑問ではないかということで、日本航空の方に疑問を投げかけておるところでございます。
そうしたことを含めたきっちりした安全教育をやっていくことが何よりも重要ではないか、このように考えているところでございます。

●松崎委員 最初に、まず研修期間の話なんですが、実は実際に業務につく前に2カ月しか研修していないということは、私たち一般国民からするとびっくりするようなことだと思うんです。少なくとも、私はそんなに短いと思っていませんでした。昔、「スチュワーデス物語」なんというテレビの番組がありまして、スチュワーデス志望の若い女性が一生懸命訓練を受ける、そういう番組だったんですけれども、番組は延々とやっていましたから、そのぐらい研修期間があるかと思ったんですが、その長い研修期間というのは実はたった2カ月の間のことをあれだけやったのかと、うまいドラマをつくるものだなと今改めて感じております。
しかし、やはり本当に2カ月の、2カ月というと新入社員、普通の、こういう専門的な業務ではなくて一般の企業に入った場合に、試用期間が3カ月あって、それから、大抵は1年2年は業務に習熟するまでの期間じゃないかなというふうに思うんですが、もう2カ月たったら、ですから、例えば4月入社だとすれば、6月からもう普通に飛んでいて、その方だということなので、やや不安を覚えざるを得ないということを申し上げておきたいと思うんです。
もちろん、この配置がドアモード変更ミスの主たる原因だとは私も思いません。しかしながら、先任客室乗務員がドアモード変更の指示を出したと思い込んだ、出されなかったということに気づかなかったのか、あるいは、仮に気づいたとしても、変更指示ありませんよというのを、経験8カ月の若手の方が23年のベテランの方にミスを指摘するというようなことが通常の職場ではなかなかしにくいということもありますので、やはり少し上の人からまた上に言ってもらうというような、何かそういう風通しのよさみたいなものが、余りにも23年と8カ月というこの差がやや関係しているのかなというような気もいたします。
もちろん、この問題の本質的なところはその部分ではなくて、むしろ、日本航空インターナショナルのドアモード変更についてのマニュアルというのが、実はこの当時混乱していたんだということを伺っております。
日本航空グループからの改善措置についての報告書、4月14日付で分厚いものが出ております。つぶさに読ませていただきまして、なるほどいろいろな、この件だけではないわけですが、いろいろなミスについての原因の究明、かなり綿密にやられていると思います。それは大変評価したいと思いますが、その中に、このドアモード変更の件について言いますと、出発遅延を防止するためにブロックアウト準備完了報告の手順が変更されたことがミスに影響したというふうに分析されているんですね。
いつ、どういう変更があったのかというのは、これは質問させていただくよりも、時間の関係もありますので、私が事前に伺っていたことをお話しさせていただきますと、去年の12月にIOSAという国際機関からの検証の機会があったらしくて、それに備えるために、手順が明確でなかった部分、マニュアルの明確でなかった部分を決めたんだと。決めたことが社内的に少し混乱が起きたので、もう一回、1月27日に改めた、1月27日に改めた際に、ドアモード変更はブロックアウトの後でもいいということになったというふうに聞いております。
ブロックアウトというのは、乗客の搭乗が完了して飛行機が動き始める時点だと思うんですが、動き始める前にドアモードを変更して、そしてそれを完了を機長に報告して、それから機長が出発の許可を管制に求めるというのが普通だった、少なくとも他社のケースでは普通のようなんですが、それが出発許可を求めてからドアモードを変更してもいいというようなことに改まった、変更されたというふうに聞いております。
これで、ブロックアウト後でもいいというふうに二重の変更の際に明記された理由というのは、局長、何か把握されていますでしょうか。

●岩崎政府参考人 経緯は、先生御指摘のとおりでございます。
この変更が、ブロックアウト後でも可能としてもいい、ブロックアウト後でもいいとした理由は、出発準備完了の操縦士への報告というのがおくれぎみになっちゃった、このようなことで聞いております。安全よりも定時性を重視したマニュアルの変更がなされたのではないか、このように我々は分析しているところでございます。

●松崎委員 マニュアルについて、他社、日本の航空会社でいえば全日空それから日本航空ジャパンについては、このブロックアウトの前後ということはいかがでございましょう。

●岩崎政府参考人 JALジャパン、全日空では、ドアをクローズして、それからドアモードの変更を報告した後ブロックアウトするという手順になっております。

●松崎委員 ですから、この変更について、そして、ブロックアウト後でもいいという、便法と言っては言い過ぎかもわかりませんけれども、とにかく全部準備を完了して、モードも変更されたということを確認してから出発に入るというのではなくて、動き始めてからそういうことをしてもいいというような、ややそこが粗雑な感じがするわけですけれども、それが実は、JALインターナショナル、日本航空インターナショナルのマニュアルだけがそうだったということがわかったわけです。
実は、これはその後に再度変更されて、ブロックアウト前にしなければいけないと今のマニュアルはなっているそうでございますが、日本航空グループの改善措置報告書の別の箇所には、先ほど局長も少し言及をされたんですが、潜在的に定時性維持へのプレッシャーが働いていた可能性が否定できない、こういうふうにあります。
つまり、早く出たい。先ほど局長は、出発がおくれがちになる、機長への報告、さらには機長からの管制への出発許可を求めるのがおくれがちになる。おくれがちになるということは、出発がおくれるということにつながる、さらには他社の同時刻の便と比べて離陸ができる順番がおくれるということにもつながるわけですけれども、結局、早く飛ぼうということについて、定時性、早く出ていこうということへのプレッシャーが乗務員にあったということを、これは日本航空グループの報告書自体にそういうふうに分析されているわけですが、効率だとか早さというのを求める余りに安全性がおろそかになってはいないか、安全性がおろそかになっているんだということは、実は、4月25日に起きましたJR西日本の福知山線のあの事故の際にさんざん指摘されたことと同じようなことが、このケース、ドアモードの変更は幸いにして事故にはなっておりません、何の問題もない、何の問題もないというのは事故にはなっていないというケースではありますが、根にあるものは同じなんだというふうに思えるんですね。
そのことについて、大臣の御所見をここで承れればと思うんですが、いかがでございましょう。

●北側一雄国務大臣(国土交通大臣) できるだけ時間どおりに運航していただく、定時性の確保、これも大切なことだとは思いますが、しかし、何もかもすべて、安全に走行していただく、安全に運航していただくというのは大前提の話であるというふうに思います。何よりも、利用者の方々に対する最大のサービスは安全に送り届けること、これが最大のサービス、そのことを、こうした事故またトラブルを通じて、会社としてぜひ社内徹底をしていただきたいというふうに思っているところでございます。
今委員がおっしゃったように、JAL自身も改善措置報告書の中で、一連のトラブルに共通する要因として、定時性の確保、時間制約からのプレッシャーがあったというふうに認めていらっしゃるわけでございまして、ぜひJALの経営者の方々には、この反省に立って、安全確保が最優先ということを会社全体に浸透させていただきたいというふうに思っているところでございます。
また、私はもう一つ思いますことは、もちろん交通事業者の方々、これは鉄道であれ航空であれ、事業者の方々に安全確保第一ということを徹底してもらうというのはもう当然のことでございますが、とともに、私は、利用者の側といいますか、社会全体がそういう定時性、もちろん定時性が確保された方がいいに決まっているわけですし、利用者の利便が図られれば図られるほどいいに決まっているわけでございますが、社会全体として、やはり安全確保が第一、場合によっては安全確保のためにおくれることもある、そういうことを許容していく、そういう社会的な風土というものもつくっていかねばならないのではないかとも私は思っているところでございます。

●松崎委員 大臣、ありがとうございました。今の御答弁については、後でもう一回私も質問を大臣にさせていただきたいところもございます。
その前にちょっと次へ進めたいと思うんですが、今のこの日本航空のケースは、大臣の御答弁もありましたように、日本航空グループがそういう問題意識を持って改善の報告書を出してきている。非常にこの分析、私は評価いたします、細かく分析されていると思います。そして、改善をこういうふうにしますということが指摘をされていますので、事故は未然に防がれることがいいわけですから、未然に防ぐために問題をきちんと把握するということがこの報告書では綿密になされていると思いますので、この点については評価をしたいと思います。
昨今、企業の中には、自社の中で起きたトラブルについて、それを隠ぺいするということが非常に多く事例が報道もされています。そういうようなケースと比べれば、細かなミスであってもきちんと報告の体制があって、そして報告されるから報道もされる、報道されるから批判はされるわけですけれども、しかし批判を恐れずに、きちんと報告は現場からは会社へ上げていく、会社もそれに対して公表する、さらには公表したその批判にさらされながらもきちんと改善点をまとめてくるということについては、もちろん国土交通省の御指導もあるんだろうと思いますけれども、このことについては、ミスがあったからいけないと言うだけではなくて、ミスに対しての対処はきちんとしているということは評価していかなければいけないんじゃないかというふうに考えております。
次は管制についてなんですが、これは残念ながら国土交通省の自身の問題になってしまいますが、先ほど玉置委員の質問にもございました、4月29日に羽田の管制が滑走路の閉鎖があることを失念して誘導してしまう、着陸の誘導をしようとしたというミスがあったわけですね。これも一般国民の目には余りにも不思議なミスで、なぜそんなことが起こるのかという、滑走路、特に着陸だとかいうことについては、非常に滑走路は神聖な場所であってだれも入れない、それを管制官の許可を受けて飛行機がおりてくる、こういうイメージがあるところに、閉鎖されているかどうかを失念してしまった。これは、そのミスは全くあってはならないミスであります。
先ほど玉置委員の質問に対する局長御答弁の中で、やはりブリーフィングの仕方に問題があったとか、これもいろいろ問題が指摘されております。ただ、これは余りにも不思議なものですから、私も少し国土交通省の方といろいろお話をさせていただいた上で感じていることがあるんです。
我々が、一般国民が報道を受けてまず頭に描くことというのは、閉鎖されている滑走路に、工事が始まって工事用の車両がたくさんいる、そこに飛行機が着陸をしてきて突っ込んできて大惨事が起こる、こういう悪夢をまず頭に描いてしまうわけですけれども、実はそれは起こらなかったんではないかというような御意見も伺うことがありますが、この点について、局長の方から御意見があればと思います。

●岩崎政府参考人 先ほども答弁させていただきましたように、このミス、本当に我々、安全をきっちりやらなければいけない航空局の職員が起こしたミスでございまして、大変遺憾に思っているところでございます。
直接的な原因は、先ほども申しましたように、事前にブリーフィングというのを行いますけれども、そのブリーフィングのときにきっちり周知を忘れたということでございます。だからといってこれでいいと言っているわけでは決してございませんけれども、閉鎖滑走路であっても、工事用車両が滑走路に進入する場合は、閉鎖滑走路も含めて、もう一度改めて管制官にここの滑走路に入っていいですかということの許可をとるシステムになっておりますので、そういう意味では二重のチェックシステムはきいているところでございます。
ただ、だからといって、繰り返しになりますけれども、こうした滑走路閉鎖の情報が伝わっていなかったということは極めて遺憾なことでございますので、我々なりに再発防止策を立て、それから外部の方にもそういう再発防止策でいいのかどうかということの御意見も伺いながら、きっちりしたものにしていきたい、このように思っているところでございます。

●松崎委員 実際にこのときは工事が始まっていなかったので、工事が始まる際に工事車両が入ってくる場合には、工事車両も閉鎖されているからといって自由に出入りができるんじゃなくて、実はその場合も、管制に滑走路に入る許可を求めるんだということを私も知りませんでした。
それを伺ってみれば、先ほど局長が再三おっしゃったように、管制が忘れていた、失念していたということは許されないミスであるのはもちろんですけれども、仮にそうであったとしても、工事用車両が管制官にこれから入っていいかという許可を求めてくれば、ああ、工事があったんだ、この時間から、実際には九時ではなくて11時ごろからだったそうですが、工事が始まっているということがそこでダブルチェックで管制官にわかり、だから工事車両がいるところに飛行機が突っ込んでくるということはあり得なかったんだという、そのことを伺いまして実は安心した次第でございます。
そういうふうにダブルチェック、トリプルチェックを常にやるんだということで、ただ、箇所箇所ごとにやはりミスは起こすべきではないのはもちろんですけれども、そういうようなシステムであったということについては安心をさせていただきました。
もう一つ、管制について伺いたいんですが、実は私、決算行政監視委員会の視察で中部国際空港に参りました。そのときに、管制室に入れていただいて管制の状況を拝見しました。レーダーを見ていると、非常にたくさんの飛行機がやってきて、動いて、それに対して、ずらっと並んだ管制官の方がいろいろ神経を使って着陸誘導等をされているということをつぶさに拝見しまして、これは大変な仕事なんだというふうに思ったわけです。
実は、質問の趣旨は、管制がハードワークになっていないかということを伺いたいんですが、通常、どういうような勤務形態をしているのか。残業があるのかとか、それから、例えば管制の量的な問題ですね、以前と比べて当然量がふえていると思うんですが、そのふえているものに対して管制官の数というのはどうなっているのか。一人一人の扱う機数がふえて、ますます大変になっていないか。その辺の心配を持っているものですから、伺わせていただきたいと思います。

●岩崎政府参考人 管制官の勤務でございますけれども、1日8時間勤務を原則としております。空港の運用、あるいは、上空は24時間飛行機が飛んでおりますので、そうした管制がございますので、早番とか遅番とか夜勤とか、そうしたものを組み合わせながら交代制で業務をやっているところでございます。8時間の勤務時間のうちに、事前事後のブリーフィング等々がございますので、実際に勤務するのは六時間から7時間程度でございますけれども、実際マイクを持つ人と、それを補助する人とおりますので、そういうことを適宜交代しながら、集中できるように勤務させているところでございます。
やはり10年前、20年前と比べますと、管制官の数は若干ふやしておりますけれども、そんなに航空機の伸びほどふえているわけではございません。ただ、私ども、それで安全が損なわれないように、管制官の一人当たりの取り扱い機数は増加しているところでございますけれども、レーダーを整備していく、それもより見やすいものにしていく、それから、いろいろなコンピューターシステムが最近非常に発達しておりますので、管制官の判断を助けるような、例えば、このままこういうことをやって飛ばしていくとぶつかる可能性がありますよというような警告を出させるようなシステムでありますとか、こういうものの導入をしながら、管制官のロードワークというのを無理なもののないように努力しているところでございます。

●松崎委員 航空局から事前にいただいた資料によりますと、頭と最近だけを見てみますと、昭和59年、1984年に管制官の数は1453人であったものが、平成13年には1797人と、定員ベースの話ですが1.24倍になっている。それに対して、航空路の管制は、110万機から平成13年では208万機になっている。空港での取り扱いは、117万機が201万機になっている。その二つを単純に合計していいのかどうかわかりませんけれども、単純に合計しますと、昭和59年、84年から平成13年までの18年間で1.8倍になっている、こういうデータをいただいてあるんです。
もちろん、機器の性能が向上したり、いろいろなことが図られていると思いますから、1.8倍に対して1.24倍にしかなっていないのがどうだというわけじゃありませんけれども、やはり安全を重視ということで考えれば、管制官の方々が、ミスを責めるだけではなくて、ミスを起こさないような労働環境にあるのかどうかというようなことも、予算面のことも含めて、定員面のことも含めて御配慮をいただくべきではないか。これは、乗客の安全ということに非常に直結する課題でもありますので、ぜひ御配慮をいただきたいというふうに思います。
時間がなくなりましたので、先ほど玉置委員の御発言の中で高度計の話がございましたのですが、これについてはちょっと割愛させていただきまして、まとめの質問をさせていただきたいと思います。
JR西日本の事故の際に、日本人の国民性として、定時性を求め過ぎるのではないかというようなことが論評にございました。先ほどの大臣の御答弁の中にも、社会としても、定時性を求める余り安全性がおろそかになってはいけないということについて寛容であってほしいというような御答弁があったと思います。
そのとおりだと思いますが、一方で、では国民性としては、本当に定時性を求める、定時というのは、その時間にぴったりと電車が発車すること、電車が到着すること、飛行機が離陸すること、到着することを求め過ぎることが問題なのかというと、やや違う面がありまして、特にJR西日本のケースなんかを考えますと、定時性と同時に速達性ということ、早く着くということですね、早く着くということを求め過ぎるのは、私は、安全性にかなり問題を生じるのではないか。
鉄道事故の関連でいろいろ文献とかを読んでみましたところ、例えば、飛行機のダイヤというのは非常に大ざっぱな、大ざっぱというとあれですけれども、分単位、秒単位のものじゃないわけですが、鉄道のダイヤというのは、実は分単位よりもむしろ秒単位近くなっているわけですね。そのときに、ダイヤを編成する人たちというのは、あらかじめどこかでおくれが生じることを想定して余裕時分というのを見ておくんだと。そうすると、どこかで15秒おくれたとしても、次の駅のところでそのおくれを取り戻せるから、百何十キロで疾走していかなくても、もともと定時性は保たれる。
ですから、速達性の問題と定時性の問題というのは、実は二つ分けた方がいいと思う。やはり定時性というのは、仕事をしている人もありますし、それから、どこかへ着いて、これは飛行機の場合でも何でも同じですが、着いて、乗りかえがあるとかいろいろな計画があるわけですから、時間はきちんと守られた方が、航空事業者にしても鉄道事業者にしても、やはり定時性はなるべく確保してほしい。これが国民の希望であって、この希望は私は余り責めてはいけないのではないかというふうに思います。
しかしながら、それに対して速達性、ともかく早くしよう、早くしようということを求め過ぎると、定時性が容易に損なわれることになる。だから事故が起こりやすい、こういうふうにつながっていくと思うんですね。
実は、今回の法改正で、飛行機の場合、短縮垂直間隔ということで、利用できる高度というのがふやせる。高度をふやすということは、国民の普通の感覚で、報道なんかを見ても、高度をふやすということは過密になるんだといって、批判に向かいがちなんですね。私はそうじゃないと思うんですよ。高度がふえるということは、実は便数に使える高度がふえるというか、余裕が生まれるということなんだと思うんですね。
それからもう一つは、これはまだこの法改正ではありませんが、東京国際空港の円滑な運用方策に関する勉強会というのが検討して、発着の回数について、一時間にどれだけできるかということを、ヨーロッパの空港で行われている方式に見直していこうということがあるんだそうですが、それによると、羽田が今1時間当たり29回の着陸なんですが、ロンドンのヒースロー空港やフランクフルトのマイン空港なんかにおけるヨーロッパ方式の発着枠の考え方によると43回とれる、こういうような研究の報告があるようでございます。
時間がないので、局長から一々御答弁いただこうと思いましたのですが、自分で今言ってしまっているんですが、こういうように29回が43回にふえるということは、これは過密になるというふうに思いがちですが、そうなんではなくて、枠がふえるから、少しドアモードの変更をゆっくりとしても、ドアモードを変更してから報告しても、発着枠があるから、発着枠があるところに同じ便数を予定していたら、またこれはきつくなるんでしょう、これは過密になると思うんです。発着枠がたくさんとれるところに便数を余裕を持って、鉄道用語で言う余裕時分というのを置いておけば、余裕ができるから、余り焦らずに、それは安全の確保につながる、こういうような考え方ができると思うんです。
実は、航空管制の安全に関する研究会というのが6月13日、つい最近ですが、国土交通省内に設置されたということですが、これは短く、答えだけ局長に御答弁いただきたいんですが、ヨーロッパ方式への発着回数の基準変更をお考えになっているんだと思うんですが、これはいつごろ実施されることでしょうか、結論だけ。

〔委員長退席、望月委員長代理着席〕

●岩崎政府参考人 先生御指摘の研究会、6月の13日に行われましたけれども、今後のスケジュールはまだめどが立っているわけではございませんけれども、いろいろ安全上のトラブルが出ておりますので、今先生のおっしゃったいろいろな諸外国の方式なんかも勉強しながら、どういうやり方がいいのか検討していきたい、このように思っているところでございます。

●松崎委員 この6月13日の研究会、専門家や学識経験者の参加を求めたということですから、慎重に検討していただきたいと思いますが、ふやすことがイコール過密なんだというのではないんだという考えを私どもも持っているということを少しお考えの中に入れていただいて、こういう状況だからという抑制が余りかからないように、ぜひ余裕を持つということについては進めていただきたいというふうに思います。
このように、回数をふやす、枠をふやすということが必ずしも過密につながるんじゃなくて、むしろ余裕を持たせることになるんだというような私の考えについて、大臣、先ほどの御答弁の中で、余り定時性を過度に追求するというふうに国民の側からも思わないでくださいという御発言があったんですが、私は、定時性の問題と速達性の問題とは多少違うのではないかというふうに思っているんですが、御意見を伺わせていただいて私の質問を終了させていただきたいんですが、よろしくお願いいたします。

●北側国務大臣 今の、羽田のことを念頭に置かれたお話だというふうに思っております。いずれにしましても、空港の発着回数をふやす場合には、十分な安全間隔を保つこと、また、安全確保を念頭に置いた運用をしていくことが大事だというふうに考えているところでございます。
発着回数の増加につきましては、航空会社も参加した勉強会でも検討を行ってまいりました。また、実際にパイロットや管制官によるトライアルを実施するなどして検証をしてきたところでございます。さらに慎重にということで、今委員のおっしゃった航空管制の安全に関する研究会で、外部の先生方にも入っていただきましてさらに十分な検証を今しているところでございまして、安全の確保を最優先に対応してまいりたいというふうに考えております。

●松崎委員 ちょっと一つだけ補足させていただきたいんですが、発着回数をふやすんじゃないんですよね、管制でできる発着回数の枠をふやしていただいて、目いっぱい便数をそこにほうり込むとやはり過密になると思うんですよ。そうじゃなくて、枠をふやすことと便数をふやすことは別だと思いますから、枠に対して便数に余裕があれば管制もより楽になるし、安全性もより保たれるんじゃないか、そういう認識だということを最後に申し上げまして、大臣の御答弁ありがとうございました。
私の質問をこれで終わります。

▲ページトップに戻る