12.2005年4月19日 国土交通常任委員会「通訳案内業法及び外客誘致法案について」

(衆議院第18委員室 16時5分〜16時35分)

●橘康太郎委員長 松崎哲久君。

●松崎哲久委員 政権準備党、民主党の松崎哲久でございます。
ただいま、民主党の樽井委員に対して北側大臣の方から御答弁があったんですが、実はお二方は同じ選挙区で選挙を戦われているという御関係だと思います。公開討論会を聞くかのような思いがいたしました。その意味で、北側大臣、御答弁が熱心で詳しかったのはよかったんですけれども、私の時間が侵食されておりますので、そのことにも御配慮をいただけたらと思います。
本改正案の審議に関しまして、まず最初に、国土交通省の言語感覚というものを問いたいというふうに思っております。
本当は国土交通に限らず行政全体の言語感覚ということなんですが、去年の5月19日に、自動車関係手続のいわゆるワンストップ法案というのが審議がございました。その際に、私は、例えば国土交通白書等に横文字の非常にわけのわからない用語が多い、横文字がやたらに多いということを指摘させていただきまして、前の大臣に伺いますとほとんどわからない、こういう御答弁でございました。
北側大臣にそのクイズみたいな質問はいたしませんので、聞いてだけいただければよろしいんですが、官公庁というのは、国民の生活や仕事に密接に関係する行政を扱っているということをよく考えていただいて、わかりにくさ、逆にわかりやすさというものに常に留意していただきたい、こういうふうに思うわけですね。
そこで、本日のこの改正案なんですが、通訳案内業法はいいとしまして、及び外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する、こういうことですから、これは橘委員長が読み上げるのも大変かわいそうになるぐらい長ったらしいわけですね。
これは、36条の読みかえ規定のところで外客来訪促進法、こういう略称を使っておられますが、実はこれも、意味はそういうことなのかと思いますが、このタイトルの、外客という外国人観光旅客、それから来訪地域の来訪、それから多様化の促進という意味で、それぞれの単語は出てきますけれども、外客と地域と促進の関係が実はこういう略し方じゃないわけですよね。ですから、この略称、これはよく後でお考えいただけばわかりますけれども、こういう略称というのは私はよくない、紛らわしいというふうに思っております。実は、国土交通省の官僚の方々は外客誘致法という略称をお使いになって、この方が実ははるかにわかりやすいわけですね。
名は体をあらわすと申しますけれども、その名がわかりやすければ、法律になった場合の目的としているところの効果というものは上がってくるわけですよ。何が何だかわからない長ったらしい法案だと、これは人も言葉にも出しませんから、その目的の効果が上がらない、こういうことがあると思うんですね。ですから、そういう問題意識をぜひ役所の方々には、法案をつくる際にも、それから略称を考える際にも持っていただきたい、このように思っております。
大臣への質問になりますけれども、本改正の目的というのは、ビジット・ジャパン・キャンペーン、これもいけないですね、英語ですから、横文字ですから。つまり外客誘致活動の一環だ、こういうふうに思っておりますけれども、このキャンペーン、先ほど、ことしは七百万を目標とするというお答えがありましたけれども、実際にどのような具体的効果が上がっているかということを大臣に伺いたいと思います。

 

●北側一雄国務大臣(国土交通大臣) 観光立国ということを、小泉内閣になって観光立国担当大臣をつくりまして、これは石原大臣が最初でございますが、それから、2003年度から、今横文字はよくないとおっしゃいましたけれども、ビジット・ジャパン・キャンペーンという政策をとり始めました。
2003年が521万外国のお客様がいらっしゃいましたが、昨年、2004年は614万、過去最高でございました。ことしは、愛知万博も開催をしておりますので、700万人という目標をぜひ達成したい、そして、2010年には1000万人を目標にしたいというのが現時点の私どもの数字としての目標でございます。

●松崎委員 先ほど私、大臣への御質問の前に少し自分の意見を申しましたが、政府参考人の方からもし御意見をいただけるんでしたら、後ででもいただきたい。特に通告しておりませんので答弁は求めませんけれども、御意見があれば伺いたいとは思います。
今の大臣の御答弁で、03年が521万人だったものが、04年、去年は613万人になった、本年の目標は700万人ということなんですが、この訪日外国人のベストファイブ、私も横文字を使ってしまいましたが、上位五カ国・地域をとりますと、韓国、台湾、アメリカ、中国、香港、こういう順番だというふうに聞いております。
このうち、韓国は03年の145万人が04年に158万人ということで8.8%増、中国は44万人が61万人で実に37.3%増、香港は26万人が30万人で15.4%増という伸び率を示しておるわけですね。
昨今、韓国、中国、御案内のとおりに抗日、反日活動があるわけですね。これが激化しているのはもう我々目の当たりにしているわけです。昨年の全体17.8%の伸び率があるんですが、同じような伸び率をことし、700万人目標だということですが、1000万目標というのはその当時はよかったと思いますが、ことしのこの状況の中で来年というのは果たして目標達成できるのかどうかということについて、大臣、御所見をいただければと思います。

●北側国務大臣 ことしですよね、2005年。
今の中国で起こっている反日デモ等々、また竹島問題を通じての韓国での反日運動、私は、だからこそ、こうした隣国の日韓関係、また日中関係というのは極めて大事でございます。そういう意味で、こうした二国間関係について、やはり、中国も韓国も、そして私ども日本も努力をして良好な関係をつくっていかねばならない、今の状況は打開をしなければならないと思うんです。こうした状況を長く続かせてはならないわけでございまして、そういう意味で、しっかり政府としても努力をしなければならないというふうに私は考えているところでございます。
こうした状況を早く打開して、また、先ほど来お話が出ておりますが、観光の大きな意義の一つは相互理解でございます。そういう意味でも、実際に日本と日本人というものをやはりじかに見ていただく、知っていただくということはますます重要であるわけでございまして、私は、そういう意味で、この700万という目標につきましては、確かに今回のことがいい影響を及ぼしていないことは確かでございます、当面。しかし、この状況を早く打開して、多くの方々に日本に来ていただけるように、ぜひそういう環境、条件をしっかりと整えるように努力することがやはり政府の、また政治家の大きな仕事であるというふうに私は思っております。

●松崎委員 今の日中韓の状況というのは、これは憂慮すべき事態であるということは私も認識は同じでございますし、私の申し上げました趣旨は、こういう状況になったのであるから、これまでの計画は計画として、微調整してでも、特に中国、韓国から観光客として来ていただければ、結果として日本に対する理解というのは深まるわけですから、先ほど、実は河本委員が、アジアばかりでなくてラテン地域もというお話がありましたけれども、実はそうではなくて、そうではなくてというか、こういう状況の中で、やはり上位五者の中に米国を除いてすべて東アジアの国というわけですから、そういう意味では、特にことしのこういう状況を踏まえて、まさにこの地域からの外客誘致というものが想定どおりに、あるいは想定以上に行われるように、格段のといいますか別段の御対策もお願いしたい、こういう趣旨で申し上げたことでございます。
次の質問になりますが、基本的に本改正は、通訳案内士の問題、それから来訪地域の多様化、いろいろ対策があるわけですから、これは外国人旅行客にとっての日本観光の満足度を高めるというのが大きな目的だと思っております。その観点で、実は先ほど樽井委員の質問の中にボランティアについての質問があり、政府参考人から御答弁いただいたんですが、36条で、「通訳案内士でない者は、報酬を得て、通訳案内を業として行つてはならない。」こうあるわけですが、これは違反すると50万円以下の罰金規定もついております。
そこで、業とするのはどういうものかということについて少しお話しをいただきたい。短くて結構です。

●鷲頭誠政府参考人(国土交通省大臣官房総合観光政策審議官) お答えいたします。
「業として」とは、一般に、反復継続する意思を持って一定の行為を行うことと解されております。したがいまして、通訳案内業法においては、有償の通訳案内行為を知人や業務上の関係者である外国人等から個別に依頼を受けてその都度行うということであれば、それは反復継続になりませんけれども、反復継続する意思を持って有償の通訳案内行為を行った場合には罰則の適用がある、こういうことでございます。

●松崎委員 その趣旨が、無資格ガイド、無資格者にガイドさせるということがガイドの質の低下、あるいは誤った知識、情報を外国人旅行客に与えてしまうということを防ぐという目的であれば、そういう規制があるというのは当然だと思いますが、逆に、低い方を見るだけじゃなくて高い方も見てみたい、こういうふうに考えまして、例えば、知識人とか文化人とかが報酬も得てというか、そういう人に報酬を払って、京都であれば京都の社寺をずっとめぐって案内をしてもらう、こういうようなことがあり得るし、企画として十分成り立ち得るんだと思うんですね。
その場合に、第2条で、「外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をする」ということがこの通訳案内士、それを無資格でやれば触れるということになると思いますが、例えば社寺について、その住職だとか神主さんが自分で自分のところを説明するのであれば、これは「旅行に関する」じゃないからいいわけだと思いますね。
ただし、鎌倉だとか京都だとか、そういうところに造詣の深い知識人、文化人が同行して、しかも文化人、知識人ですから英語は堪能である、英語で直接しゃべれる、こういうことになって、当然その方に半日とか時間を拘束するんだから謝礼を差し上げて、さらには人気が高いということになれば、集客効果があるということであれば、それも反復してやっていただきたいと。これは、こういう形態を考えれば、外国人に対して質の高い旅行を提供するということの目的に合致していると思うんですね。ところが、これを厳格にこの法を適用すれば違法になってしまうおそれがあるんですが、いかがでしょうか。

●鷲頭政府参考人 今先生おっしゃられましたとおり、反復継続して報酬を得て行う、業として行うということを業法では禁止しているわけでございますので、今おっしゃられた、一定の地域に造詣の深い知識人という方が通訳案内士の資格を持たないまま、英語がしゃべれるので旅行に関する案内を鎌倉なら鎌倉でやる、こういう場合には通訳案内士法における通訳案内に該当する可能性が高いわけでございまして、この方が外国人旅行者から直接に、あるいは旅行業者から報酬を得て行われているという場合には、通訳案内士法の36条に抵触するおそれがあるというふうに考えております。

●松崎委員 それで、本来のこの法の目的を考えますと、質の高さ、無資格ガイドによって質が低くなる、あるいは誤った情報を与えてはいけない、こういうのを防止する目的、むしろ質の高い旅行を楽しんでいただくためのものにこれはなるわけですよね、そういう企画をしたとすれば。
私が考えますには、質の高さを求める、与えるわけだから、多分、費用についてはそんなに余りぎりぎり詰めないということであれば、正規の資格を持った通訳案内士がその期間同行して、同行しているんだけれども実際に説明するのは文化人なりそういう方に、大学教授だとかにしていただく、こういうことであれば法本来の目的からして何も問題はないと思うので、こういうケース、正規の通訳案内士が同行しているということであればこれは法に触れないんですよというふうにぜひ運用していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

●鷲頭政府参考人 今先生おっしゃられましたとおり、知識人、高い知識を持っておられる方が一人で案内するのではなく、通訳案内士が同行している場合には、通訳案内に該当する旅行に関する案内を行っているのはこの有資格者でございまして、同行しておられる知識人というのは歴史、文化等に関する大変高い知識を旅行者に伝える、こういうことでございますので、その場合には通訳案内士法の36条違反とはならないというふうに考えております。

●松崎委員 その御答弁を伺いまして、大変心強く思っています。現実に、本当に質の高い、そういうセミナーみたいなものを旅行に合わせて企画するということを旅行会社の方なんかでもできると思うんですね。ですから、その際に、まかり間違ってもそういう方々を、36条に触れるからみたいなことで嫌な思いをしていただきたくないと思いますものですから、念のため確認をさせていただいたということでございます。
次の質問なんですが、外客来訪促進法改正案の5条以下の地域観光振興事業計画について伺いたいと思うんですが、観光協会や民間組織が創意工夫をもってそういう計画を立てる、その振興策を考えて、それが国土交通大臣に認定されると4割の補助が受けられるというふうに伺っております。というのは、この法律には書いていないわけですが、本年度の予算で措置されたというように記憶しておりますけれども、間違いないかということと、その予算額を伺いたいと思います。

●鷲頭政府参考人 そのとおりでございます。
平成17年度予算で、観光ルネサンス事業というものを新たに認めていただきました。この事業全体は約3億円でございますが、そのうち、先生が今おっしゃられました民間に対する補助金というものは、地域観光振興事業費補助金として1億5千万円が計上されております。
以上でございます。

●松崎委員 国土交通大臣が認定すればこの補助金が受けられるということですが、大体どういう方針で行われるか、何件にどのぐらいの金額を補助するというような御方針であるのか、もし決まって、あるいは検討が進んでおりましたら伺いたいと思います。

●鷲頭政府参考人 二段階ございまして、まず、国土交通大臣が民間組織が作成します地域観光振興事業計画について認定を行います。この認定というのは、改正後の法律の第3条2項第3号の「地域観光振興事業の実施について指針となるべき事項」、例えば地域の個性豊かな魅力を最大限に生かすようなものだとか、市町村の定める地域観光振興計画と密接な連携を図るとか、外国人観光旅客の利便性、魅力の向上に資するというような指針に合致しておれば、国土交通大臣は自動的にそれを認定するということになります。
それで、さらにその上に、予算上の措置として補助金をもらえるかどうかというのは、国土交通大臣の認定を受けました事業計画のうちから、国が設置いたします第三者委員会によりまして特にすぐれたものとして推薦を受けた計画について補助金で支援するということを考えておりまして、本年度につきましては10件から20件程度を想定しております。

●松崎委員 わかりました。
時間がもう間もなく参りますので、最後に大臣に伺いたいと思うのです。
観光立国、こういう大方針ですね。もちろん賛成でございまして、しかし、そもそも観光とは何かということ、先ほど大臣は御答弁の中で、光を観ると書くのですよと大変文学的にお答えをいただいたわけですが、観光の定義というものを考えないと、立国の手だてを考えるというのは難しいわけです。
実は国土交通省に、観光地の定義というのは何だというふうに伺いましたら、明確なものはないらしいのです。それなら、観光地の数というのはどのぐらいあるのかと聞いても、調べてないのでわからない、こういうお答えでした。それならば、観光協会の数ぐらいはわかるのではないかというふうに伺いました。そうしましたら、社団や任意などさまざまあって、これについては答えにくい、答えられないというお答えが事前にございました。
さりながら、先ほど樽井委員の質問に対しまして、都道府県で300はあるのだということが、数字が出てまいりました。もちろん、そのほかに任意等があるから総数は幾つかわからないという意味だということはわかりますが、この300すらが私の事前の質問についてはお答えがなかったのですよ。
私としては、これは大変遺憾なことでありまして、この質問でお答えいただけるものぐらいのことを、事前に伺うことによって質問の深さを深めていきたい、精度を高めていきたい、こういう趣旨で事前に国土交通省さんとお話をしているわけですから、今回のようなこういうことが、これは観光審議官だけの問題ではなくて、御省として、今後もこういうようなことになれば、質問について、内容について事前にお話し合いをするということが意味がなくなってしまいますので、その点、十分に御省の方で留意をしていただきたいというふうに厳重に申し上げておきたいと思います。
ただ、実際の総数は余りわからないということは事実だというのは、それはわかるのですが、先ほどの、さらに観光地というものの数がどのぐらいかというのは、調べていないからわからないということだったのですが、それでも困るから、何か目安はないかというふうに伺いましたら、民間の方で調べた調査があって、観光資源と言われるものが2060カ所リストアップされている、こういうふうに伺いました。これは大臣への質問に次からはなりますが、その内容を検討いたしますと、個々の、観光資源というんだそうですが、自然資源と人文資源に分けて、特AからC、Dまでランクづけがしてあって、なかなか示唆に富むものなんですね。ただ、あくまで民間の調査でしかないということなんですが。
国交省がというよりも政府全体として、観光立国という大方針を掲げてこれを推進していくわけですから、観光地についての定義なり、そういう意味でのガイドラインというようなものを何か定めて、政策としてやはりきちんと対応していくべきではないかというふうに思うのですが、これについて御所見を伺いまして、最後の質問とさせていただきます。

●北側国務大臣 結局、外国人の方々、観光客の方々が何に魅力を感じるのかというところは非常に多様だと思うのですね。初めて日本に来る方はやはり富士山とかなるのですが、やはりリピーターになりますとそうではなくて、地方の、本当に田舎の棚田とか、そういうのを見て感動される方もいらっしゃるわけでございまして、そういう意味では、魅力というのは、観光客の側に立ちますと極めて多様、また地域の側に立っても、それぞれの文化とか伝統芸術とか、そういうものも非常に多様でございます。
そういう意味では、一概に、これが観光地であるというふうに定義する、また何らかの基準をつくっていくというのはなかなか難しいのかなというふうに思いますが、ただ、外国人の方々であれば、やはり一つの傾向性といいますか、そういうのはあると思うのですね。
例えば韓国の方ですね。昨年もたくさん、日本に一番来ていただいた外国人でございますけれども、結構聞きますのはゴルフですね。韓国のゴルフというのは高いらしいのですよ、今。日本は今安い、温泉がいいと。温泉つきのゴルフですね。これに結構韓国の方々が、近いということもあっていらっしゃっておられるというのをよく聞くのです。だから、例えばそういうことなんかはもっと商品として宣伝していけばいいなと。今すいているゴルフ場なんか幾らでもありますので。
そういう意味では、本当に魅力というのはもうさまざまでございます。そういう意味で、なかなか一概には言えませんが、そういうふうに戦略的にさまざま商品を開発していく、それの支援をしていくということは非常に大事なことだというふうに思っております。

●松崎委員 ガイドラインをつくっていただけないかということについて御答弁が不十分だと思いますけれども、時間ですので、これで終わります。

▲ページトップに戻る