11.2005年4月15日 国土交通常任委員会「港湾法等の一部改正法律案について」

(衆議院第18委員室 9時40分〜10時40分)

●橘康太郎委員長 松崎哲久君。

●松崎哲久委員 民主党の松崎哲久でございます。大臣、よろしくお願いします。
国土交通省というのは、生活に大変密着しつつ森羅万象を扱う大変重要な政策分野だというふうに思っているわけでございますが、私、一昨年から1年半この国土交通委員を務めさせていただきまして、実に一本一本の法律の審議に毎日毎日追われているという実感がいたしておるんですが、そうやって過ごしておりますと、実は国土交通行政あるいは国土のグランドデザイン、総合交通体系、その全体像をややもすると見失ってしまうんじゃないか、そういうおそれを抱きながらいつもこの国土交通委員会に参加しているというふうに思っております。
この改正案につきましては賛成の立場で御質問させていただきたいと思っておりますけれども、御承知のように、民主党は次期の政権を担うその準備をしている政党でございますので、日本の国際物流というものについていかなる歴史的視点を持っているかということが、この質問の中身からも問われることになるという自覚を持って質問させていただきたい、こう思っております。
明治の近代化以来、日本は海洋国家である、このように、常識のように我々は思ってきたわけでございますけれども、私自身、選挙区は内陸にある者ですが、当選して、国土交通委員を拝命いたしましてその審議に参加させていただいて、昨年ですが、国際物流についての、特に海上運送についてのデータを見て愕然としたことがございます。
それは、もう委員の先生方皆さん御承知のとおりでございますが、1980年と2003年とを比較して、先ほど望月委員の御質問にもありましたけれども、アジアの主要港に比べて日本の主要港が相対的に位置が低下しているというデータがあるわけですね。
例えば、先ほど神戸のお話がございましたが、神戸が80年に145万TEUであったものが、2003年では199万TEU、1.4倍にすぎないわけでございますね。それに対して、一番大きいのがシンガポールです。シンガポールは80年が91万TEU、神戸よりも少なかった。このシンガポールが実に1810万TEUということで、19.7倍にもなっているということでございます。シンガポールが一番大きいわけですけれども、次が釜山ですね。韓国の釜山、80年は63万TEUであったものが2003年は1036万TEU、16.4倍ですね。
その他、香港、高雄等、10倍以上の、高雄は9倍ですか、10倍以上の伸びを示しているのに対して、日本は、神戸の1.4倍というのはもちろん阪神・淡路大震災の影響等々いろいろあるとは思いますけれども、例えば東京で5.2倍、横浜港で3.4倍というように、伸びてはいるものの国際的な位置づけというのが非常に低下しているという、私は、このデータを昨年見まして愕然といたしました。
まず、大臣に伺いたいんですけれども、この原因ですね、なぜこういうことになっているのかということについて、御見解を承りたいというように思います。

 

●北側国務大臣(国土交通大臣) 今、松崎委員の方から具体的な都市の名前を挙げていただきまして、急速に伸びている都市というのは、すべてこれは東アジアの港でございます。やはり東アジアの、中国を中心といたしまして経済の発展、極めて急速な経済成長をしている、それが一つもちろんあると思います。さらには、それと関連いたしますが、我が国の製造業がそうした東アジアに海外移転をどんどんしているということもあります。
そして、最も私どもが課題視しなけりゃいけないと思っておりますのは、日本の港湾におけるコストそれからリードタイム、これは、ともに非常に、そうした東アジアの急速に伸びている港に比べますと、コストの面では高い、時間の面では時間が長くかかる、こうした課題を抱えているわけでございます。
具体的に申し上げますと、リードタイム、これは船舶が入港してから貨物が港から出ることが可能になるまでの期間でございますけれども、シンガポールでは1日以内で貨物が外に出るわけでございますが、日本では、平均でございますけれども、3日程度かかっておる。それから、港湾コストにつきましては、高雄や釜山の方が3割から4割安いというのが今の現状でございまして、ここのところをしっかり打開していかないといけない、これが急務であるというふうに考えております。

●松崎委員 今大臣御答弁いただきましたように、まさにこの問題、リードタイムの問題それからコストの問題、これが今回の法改正の一つの眼目であるというふうに私も認識しているわけでございますが、東アジア諸国の経済成長、それから、日本の製造業が海外移転、特に東アジア地域に移転しているという、この問題が背景にある。10数倍対1けたとの大きな違いというのはこれが大きいのかなとももちろん思いますけれども、港湾にも今大臣がおっしゃったような問題点があるわけですから、それを喫緊の課題として改めるということは、まさしく時宜を得たことだと思います。
ですから、私どもは基本的にこの法案は賛成の立場でございますが、ただ、この法改正がなぜ今なのかということを実は問題にさせていただきたいというふうに思うわけですね。20年間の間にこの大きな開きというのがわかったのは何もこの数年の問題ではないわけですから、もう少し早く対策が打てなかったものだろうかという、これが問題意識の一つ。
もう一つは、港湾サービスの問題、リードタイムそれからコストの問題というのは、やはり日本の港湾行政といいますか、従来持っていた港湾政策そのものに内在する問題があったのではないか、こう考えるわけですが、それが今転換しようということですから、これはもちろん賛成なんですが、転換のきっかけ、いつを、どういうことをきっかけとして転換しなければいけないという認識を国土交通省の方で持たれたのか、これを次に伺いたいと思います。

●鬼頭平三政府参考人(国土交通省港湾局長) お答えを申し上げます。
経済のグローバル化に対応した国際物流拠点、こういったものを形成するために、これまでも東京湾、大阪湾、伊勢湾あるいは北部九州という4つの地域において中枢国際港湾というのを位置づけまして、そういったものを中心に、コンテナ港湾の機能向上を図るためのいろいろな施策を私どもも講じてきてございます。
ただ、今大臣の方からも御答弁申し上げましたように、近隣アジア諸港の近年の躍進、これによりまして、我が国のコンテナ港湾の相対的な地位の低下になかなか歯どめがかからないというところが実態ではないかというふうに思ってございます。
したがいまして、今回、コンテナ埠頭運営の大規模化あるいは統合化、あるいは公設民営方式の導入、そういったものを通じまして我が国の港湾の国際競争力を抜本的に強化しよう、そういうことで、スーパー中枢港湾を育成するという政策をとることにしたものでございます。

●松崎委員 今、ここの委員は、数を数えますと10対9で民主党の方が多いということでございますので、緊急動議で採決をしようかというふうに今話をしておりますが、残念ながら私ども賛成の立場なものですから、ではどうしようかと迷っております。理事の方で御協議をいただいているようでございますが、とりあえず、民主党としての判断が出ますまで、私は質問を続けさせていただきます。
私が一つ問題にしておりますのは、日本の港湾の管理者は都道府県が主体であるというふうに承っているわけですね。それが、先ほど赤羽委員の方からもお話がございましたが、国としての集中投資をするということが、どうしてもそのこととのかかわりでできてこなかった側面があるのではないかというふうに考えているわけです。それに対して韓国ですね。釜山港の非常に大きな発展があるわけですが、韓国は港湾管理者が国だというふうに承っておりますが、それがやはり集中投資をして港湾のサービスを向上させるという結果につながっているのではないか。
日本は、戦後、25年ですか、港湾法で、アメリカのポートオーソリティーに倣う形で自治体を管理者にしたんだというふうに伺っているんですが、それでは戦前はどうだったんでしょうか。港湾のあり方というようなことで、戦前はどうだったんでしょうか。

●鬼頭政府参考人 ただいまの私ども港湾行政のよりどころとなります港湾法につきましては昭和25年に制定をされておりますが、今、戦前はどうだったかというお尋ねでございますが、現行の港湾法が制定される以前につきましてはそういった法制度は整備をされておりませんで、勅令とか訓令、そういったものが直接の根拠になってございました。
港湾の経営主体につきましても、国が直接経営する第一種重要港湾、地方が経営する第二種重要港湾、それとその他私有港、そういった形に分かれておりまして、また、多くの省庁が港湾行政に関与をするということで、港湾の管理運営について統一性が必ずしも十分とれていたものにはなっていなかったようでございます。

●松崎委員 韓国の釜山は今現在国の管理かということを追加して伺いたいのと、戦前の釜山というのはどうだったか、もしおわかりになればお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。

●鬼頭政府参考人 ちょっと戦前の行政の形態まで私今存じ上げませんが、ただ、釜山については、今委員御指摘の、国が整備、運営をしていたことがございましたが、今はむしろ公団という形で、国の財産を公団に移管をして、言ってみればそういう形の運営がなされているというふうに承知しております。

●松崎委員 私の趣旨は、地方自治体ではないということですから、国から公団ということで同じだと思うのですが、実は、昭和25年の港湾法の制定の経緯、その辺について伺えればと思うのです。

●鬼頭政府参考人 お答えをいたします。
先ほど戦前の話について少し御説明をさせていただきましたが、なかなか経営主体自身についてもはっきりしていないということ、あるいは行政も統一性がとれていない、そういった反省から、港湾行政の基本となる法制度を整備して港湾の管理運営を一元化するということになりまして、昭和24年にGHQの指令が出まして、それを踏まえまして、先ほど申し上げました昭和25年、翌年でございますが、港湾法が制定をされています。
この際に、地方自治の尊重に十分配慮するという観点から、地方公共団体あるいは港務局を港湾管理者とする港湾管理者制度がこの港湾法の中に盛り込まれてございます。したがいまして、地方公共団体等に港湾の管理運営が一元的にゆだねられることになったという経緯でございます。

●松崎委員 私が今この質問で申し上げたいのは、GHQの指令というお言葉が出てまいりましたが、結局、米国による占領行政期に、米国が非常に地方自治を重んずる立場から、その制度に倣って日本のそれまでの制度というのをいろいろ改革されたわけですね。例えば警察なんかについても自治体警察であったわけでございますが、いろいろな問題がその後指摘されまして、日本の独立が回復された後に、自治体に任せたものを再び、例えば警察なんかの場合には国という形に、国家公安委員会ということですけれども、占領行政の見直しという作業をやっているわけですね。
ところが、どうもこの港湾法につきましては、それが、個々の改正はもちろんあるのはわかっておりますけれども、基本的に港湾管理者を自治体を中心にするというところは改められていないわけでございます。そのことが、一方、同じ日本の行政下にあった今の韓国の釜山港については、国が管理して、そして公団になって、集中投資をして今の釜山港ができ上がっているということと比べますと、どうしてもそこで戦後の、戦後といいますか占領行政の見直し以降の、これは自民党政権の仕事になるわけですが、そこがどうも適切に改められてこなかったのではないか、そういう問題意識を持っているということを申し上げたかったわけです。
ですから、おくればせながらではありますけれども、この法案が改正されて、スーパー中枢港湾という形で高機能に整備されていくということはもちろん歓迎をしているわけでございますが、その辺の視点というのを、やはり国がやるべきことは国がやる、地方自治体がやって効果的であり、よりよいものは地方自治体がやるという、その辺の切り分けをまたきちんとしていかなければいけないのではないかな、そういう意味で考えているわけでございます。
それから、もう一つ、この港湾行政ということについてぜひお話をしておきたいのは、例えば今回は、特定重要港湾のうち指定特定重要港湾というのを指定するという形で、実際は去年の七月に指定されたスーパー中枢港湾が今回の港湾法改正による指定特定重要港湾になるというふうに私は理解しているのですが、これは、その分野の方には当然おわかりのことであっても、一般的にはなかなかなじめない。
特定重要港湾が今23、それを含んで重要港湾が128、地方港湾が953、港湾法上はあるわけですね。それに対して、例えば港湾運送事業法によれば、特定港湾九、それ以外85が一般港湾ですか、こういう言い方をする。これは、特定港湾の9を主要港湾と、イコールなんでしょうか、言うんでしょうか。それから、特定港湾に指定されなかった残りを地方港という言い方もある。
そうすると、この地方港は港湾法上で言う地方港湾とは全然違って、港湾法上で言えばむしろ重要港湾に類別されるものを運送事業法上は地方港という言い方をする。ですから、一般人の感覚でいいますと、地方港、地方港湾、たった一字の違いなんですけれども、実は指している概念が行政上は全く違うということになりますね。
そのことについて御見解があればぜひ伺いたいのですけれども、いかがでございましょう。

●鬼頭政府参考人 今委員がお話しになりましたように、港湾法で言う港の格、港格と言っていますが、そういうものと、港湾運送事業法あるいは港則法による港の分類、そういうものが違うのは事実でございますが、それぞれの法律、それぞれ目的に従ってそういう分類をしているということで、今のところはそれぞれ使い分けているということでございます。

●松崎委員 もちろんそうなんだとは思いますが、似たような言葉で、一字違いで違うところを指しているということがあるとやはり混乱をする。法律というのは、専門の方がわかっていればいいだけじゃなくて、やはり広く一般国民、全く一般かどうかは別として、少なくとも関心を持って勉強し始めたら、まず地方港とはどこを指して、地方港湾とはどっちだか、こんがらがっちゃうようなことがあってはならない。
これは別に国土交通省だけの問題ではもちろんないと思いますし、さらに言えば、これは実は関税局さんの方でかかわってくるんですけれども、同じものを別の、開港、不開港というような言い方を、似たような港湾をそういう類別をされている。それぞれの行政、それぞれの法律に従って必要だというのはわかるのですが、やはり法律全般をいろいろな意味で見直していっていただくこともいずれは必要なのかなと市民の立場で思っておりますので、御留意をいただければというふうに思います。
質問を続けますが、先ほどは、日本の港湾の相体的地位が低下した、東アジア諸国の経済発展、それから、日本のそういう地域への製造業の移転等々があるということもありますが、ここに、日本を発着する、釜山港へ行く貨物、それから釜山港を経由して他の地域へ運ばれる貨物のデータというのがあるわけですね。釜山港を経由するだけのものはトランシップ貨物というのだと思いますが、それが、99年から02年、たった3年で22万TEUから57万TEUに伸びているというふうに、これは国土交通省さんから今回の法案の審議に当たってお示しいただいた資料の中にあるわけです。
この3年ではなくてもう少し経年的に扱ってみたい、検討してみたいと思いまして、最初はこの韓国のデータ、その前はないんですということだったんですが、国土交通省さんの方で別に資料をとっていらっしゃって、これは御省のコンテナ貨物流動調査というのによりますと、我が国を発着する海上コンテナのうちの韓国をトランシップする貨物が、10月の1カ月を平成5年、10年、15年というふうに調査されたそうですが、平成5年では、これは重量ベースですが2万トン、平成5年には2万トンだったものが10年には22万トン、10倍、さらには、15五年には83万トン、40倍と激増しているわけですね。
そうすると、これは、日本の港から貨物を積み出しているわけですが、結局は韓国の釜山をハブ港として使っているというような状況になっているわけですね。この原因は恐らく、先ほど大臣からお答えがありました、日本の港湾サービスのコストそれからリードタイムという問題だと思います。ですから、これを今回の法改正に基づいて改善していく。
例えばリードタイムを1日にするというお話なんですが、これが本当に可能なのか。可能であれば何がどういうふうに、御省からいただいた説明資料に、これはもとは財務省さんの方の資料だと思うんですが、時間で書いてありますね。何がそれだけ、今2.8日と言われるものを1日にできるのか、これについて御説明をいただきたいと思うんです。

●鬼頭政府参考人 お答えをいたします。
今リードタイムのお話がありまして、昨年のデータで2.8日、コンテナだけにしますと2.4日という数字だったと記憶しておりますが、先ほどの別の御質問者の方に対してのお答えにもありましたように、やはりゲートオープンも含めて24時間フルオープンをきっちり確立をするということ。あるいは、まだ港湾の中でのいろいろな手続がペーパーで行われている部分が相当ございます。特に、中小の事業者の方の多い港湾はそういうところがあります。そういうものをIT化をすることによって、手続をスムーズにする。そういうことによってリードタイムをできるだけ短くする、それも目標としては1日に置いている、そういうことでございます。

●松崎委員 その2.8日、このデータが財務省関税局の出典のデータでございますので、関税局長さんにいらしていただいておりますので、関税局の方に伺いたいんです。
この御省の輸入手続の所要時間調査によりますと、税関での所要時間が平成3年2月時点で26.1時間、それが平成16年3月では4.3時間に短縮されているわけですね。劇的に短縮されている。1日以上かかっていたものが4.3時間になった、これは平均の数字ですけれども。これは、何の要因でこれほど劇的に減少したのかということについて承りたいと思います。

●木村幸俊政府参考人(財務省関税局長) お答え申し上げます。
財務省税関におきましては、従来から、適正な通関を確保しつつ通関手続の迅速化を図っていくということで、まず通関情報処理システム、NACCSと言われておりますけれども、それを導入し、さらにその利用可能地域を拡大していく、そういうことを通じまして税関手続の電子化を推進する、これが第一でございます。
それから、貨物の到着前に必要な書類審査等を終了させてしまう、そうしますと申告にかかる時間が短縮できますので、そういった予備審査制を導入し、さらに、その予備審査制を前提といたしまして、保税地域に貨物を搬入する前に輸入を許可する到着即時輸入許可制度というのも導入しております。
さらには、納税申告の前に貨物の引き取りができる。通常の場合ですと、税関の場合は、納税していただいてそれから輸入許可となるわけでございますが、それを切り離しまして、そういった簡易申告制度というのも導入いたしまして、そういった措置を講じてきているところでございます。
これらの措置によりまして、今委員からお話がありましたように、輸入申告から許可まで、税関における手続の所要時間が大幅に短縮することができたものと考えております。

●松崎委員 続いて関税局長さんに伺いたいんですが、そうしますと、今平均で4.3時間になっているものが、今後これをさらに短縮していく見込みというのはいかがでございましょう。

●木村政府参考人 議員よく御承知のとおり、現在、国際物流というのは非常に高度化しておりまして、それに対応いたしまして、物流の促進の要請というのは非常に強いものがございます。私どもといたしまして、それにこたえるために、引き続き通関手続の迅速化に取り組んでいきたいと考えております。
ただ、同時に、通関に際しましては、セキュリティー、特に9.11以降、同時多発テロ以降、セキュリティーに対する要請が非常に強まってきておりますので、そういった要請にもこたえていく必要がございます。したがいまして、申告から許可までの平均的な所要時間がさらにどの程度短縮できるかというのは、現在、少なくとも一概にはなかなか申し上げにくいという状況でございます。

●松崎委員 お答えにくいと思うんですが、この調査によりますと、例えば入港から搬入までの時間が、47.6時間だったものが26時間、平成3年から16年ですね。それから搬入から申告までが、94.4時間だったものが36.8時間というふうに、既に大幅に短縮されておりまして、グラフを見ますと短縮度が低減しているわけですね。最初のうちはうんと短縮されたけれども、最近はなかなか短縮されない、こういうグラフの形状が見えるわけです。
そうすると、もちろん私は、リードタイム、シンガポール並みに1日になった方がいいと思いますけれども、1日という目標はなかなか、本当に達成できるのかなという心配をいたしておりますので、ぜひこれは、実は、搬入から申告までどういうものがあってというようなのはなかなかおわかりになりにくいように伺っておりますので、もしお答えいただけるのならお答えいただいてもいいんですが、そうでなければよくいろいろその実態を調査していただいて、短縮できるところをなるべく短縮していただきたいというように考えております。お答えいただけますか。

●木村政府参考人 先ほど申しましたように、私どもの直接の仕事でございます税関手続というのは、まさに申告から許可までのところでございます。今お話ありました搬入から申告というところにつきましては、本来私どものものではないかもしれませんが、私どもといたしまして、この所要時間調査をやっております観点からお答えさせていただきたいと思います。
輸入貨物の流れを見ますと、これは釈迦に説法かもしれませんが、まず、船舶が入港し、接岸する。それで、コンテナ等が船舶からコンテナヤードへ取りおろされるわけでございます。コンテナヤードは保税地域となっておりますが、その保税地域におきましては、どんな貨物が搬入されて、どんな貨物が搬出されたかを記帳することになっております。輸入申告は、原則として保税地域への搬入後に行うことになっております。
所要時間調査におきましては、保税地域における搬入の記帳の時点と、輸入申告が行われた時点を把握することによって、今お話のありました搬入から申告までの所要時間を計測するということが調査の中身でございます。

●松崎委員 私の質問の趣旨は、いろいろ各省庁で御協力し合っていただいて、なるべくこのリードタイムは短くしていただきたいということ、それが趣旨でございますので、念のため申し添えます。
ちょっと視点を変えて、次の質問をさせていただきたいんです。
私は、この法案は賛成ですし、日本の経済にとって物流、特に海上交通の重要性を考えると、この指定特定重要港湾、スーパー中枢港湾を中心とした高機能の港湾をつくっていくということを推進しなければいけないと思っておりますけれども、しかし他方で、この政策を採用することによって負の影響を受けることがないだろうか、受ける人がいないであろうかということについては、常に留意をしていく必要があると思うんですね。
港湾運送事業にかかわる規制が緩和される、規制が緩和されるのは結構なようで、一方で、その中で競争だとか、ダンピングだとか、労働条件が過重になるとか、賃金の問題だとか、労働者の方たちに過度のしわ寄せがあるのではないかということを懸念として持つわけですね。
また、その料金体系について、これは届け出制になるわけですから、これについてもちろん監視だとか監査ですか、いろいろ制度があるわけですけれども、基本的には、一方でいい改革をしていこうと思っても、どうしてもそれからしわ寄せを受けて苦しむ方たちが出ないだろうか、出るおそれを感じていただきたいと思いますので、この辺について国交省さんのお考えを承りたいと思います。どういう対応を考えているか、どういう対応ができるのかということですね。

●矢部哲政府参考人(国土交通省海事局長) ただいま、港湾運送事業の規制緩和に伴います労働者の皆様方への配慮あるいはダンピングの防止についてのお尋ねがございました。
今回の地方港の規制緩和を実施するに当たりましては、労働関係の安定化を図ることが大変重要であると認識をしております。このために、平成12年に主要9港の規制緩和を行ったときと同様に、さまざまな安定化策を講じてまいりたいと考えております。
具体的には、中小事業者の事業協同化等によります集約、協業化を進めることによりまして、経営基盤の強化を図りますとともに、届け出されました運賃・料金につきまして過度のダンピングが行われないように、料金変更命令や緊急監査制度を適切に運用すること等によりまして、港湾労働者の労働条件やあるいは労働環境に過度のしわ寄せが及ばないようにしてまいりたいと考えております。

●松崎委員 港湾安定化協議会、仮称ですけれども、こういうものを設置するという話が前にあったと思いますが、それは設置されたのでしょうか。現状、どうなっていますか。

●矢部政府参考人 お答えをいたします。
この港湾安定化協議会につきましては、今回地方港の規制緩和を行うに際しまして、これから各地区ごとに立ち上げる予定でございます。その目的は、港湾運送事業に関係する関係者全員に集まっていただきまして、いろいろな港湾の発展あるいは港湾関係の安定のための意見交換をするということでございます。関係者といたしましては、もちろん労組、それから港湾管理者、行政、そして荷主の皆様等、そのような主要なメンバーを構成員とするということを考えております。

●松崎委員 特にそういう配慮をしていかなければいけないと思いますので、十分に御対応をいただきたいというふうに考えます。
まとめにそろそろ入りたいと思っているんですが、この改正によってスーパー中枢港湾三地域が指定されて、そこが非常に高機能になっていくわけですね。そうすると、他の港湾との関係がどうなるかということをやはり考えなければいけないわけです。
私の問題意識を先に申しますと、二つ懸念がございます。
一つは、特定重要港湾も含めてスーパー中枢以外の重要港湾、そういう地方港が釜山港のフィーダー港化してしまうおそれがあるのではないかという懸念を一つ持っております。二番目には、今度は地方港の周辺の荷主さんが、その地方港を使わずにスーパー中枢港湾の方に直接に貨物を持っていってしまうんじゃないか、こういう懸念を感じるんです。
幾つか一般論として伺いたいと思うのですが、これについてまず、そういう御懸念はいかがでございましょうか。

●鬼頭政府参考人 先ほど委員の方からも御紹介のありました、私どもで5年ごとに実施をしておりますコンテナ流動調査でございますが、平成10年の数字、全国値で日本に発着する貨物の5%が海外の主要港でトランシップされる、いわゆる海外トランシップ貨物、5%という数字でございますが、それが平成15年の数字では15%というふうに数字が大変大きくなっております。
これ自身も大変問題ではございますが、もう一つ、私どもが大変問題にしておりますのは、日本を代表するコンテナポートである、例えば東京、横浜、名古屋、神戸、大阪、そういう大きなといいますか、もともとそこから欧米に荷物が母船で運ばれるような、そういう港においても10%程度のフィーダー貨物が出ているということは非常に問題だというふうに思っています。
これは、我が国に寄港する基幹コンテナ航路が、アジアの貨物が大変ふえているという状況の中で減少しているということが大きな原因であるというふうに私自身思っておりますが、結局これがどんどん進んでいくこと自身に大変問題がありまして、先ほど来御説明を申し上げておりますように、スーパー中枢港湾のプロジェクトを推進しているということでございます。
一方、スーパー中枢港湾と地方の港湾との内航フィーダーについてこれからどう考えていくのかということが、次の課題として大変大きな点になります。そういう意味で、私ども、内航フィーダー輸送の活性化を図ることが大変急務であるというふうに認識をしてございます。
そういう観点から国土交通省におきましては、内航海運の活性化のために、昨年の通常国会におきまして内航海運業法を改正いたしまして、規制緩和をするということもいたしましたし、さらに今年度、内航フィーダー輸送の活性化のための社会実験を実施することにしておりまして、こういった施策によって、外航フィーダー輸送に対抗して、内航フィーダー輸送のネットワークをうまく形成していきたいというふうに思っております。
もう一点、スーパー中枢港湾のプロジェクトを進めることによって、先ほど懸念があると申し上げました、欧米等への基幹航路ネットワークの拡大が図られるということになりますれば、地方の港湾の周辺に立地をされておりますいろいろな工場等の荷主によるスーパー中枢港湾の利用が促進されるというふうに見込まれます。
ただ、先ほど申し上げましたように、これにあわせまして、内航船と外航船の積みかえの円滑化、これを初めとする内航海運輸送の活性化策、これを同時に講じることによりまして、地方の港湾とスーパー中枢港湾間で輸送される貨物による環境に優しい効率的な国内輸送体系の構築を図っていきたいというふうに考えてございます。

●松崎委員 関税局長さんに伺いたいんですが、私は、みずからの不明を恥じずに申し上げますと、インランドデポというのを全く知らなかったんですが、このインランドデポというのはどういうもので、どういう役割をしているかというのを少し教えていただきたいのです。

●木村政府参考人 お答え申し上げます。
今お話ありましたインランドデポというのは、物流の効率化、それから地域の活性化等の観点から、港や空港から離れた内陸部に倉庫等の物流拠点を整備して、当該拠点で通関業務等を行うため、政令派出所を含めまして税関官署等を設置された地域だというふうに通常言われております。

●松崎委員 私は、港湾のこと、それから内航のこと、いろいろ考えていて、どういうふうに内航フィーダーを活性化したらいいかということを考えていたわけですが、一方でインランドデポというのがあって、内陸に工場があるとしますね、そうすると、そこで通関ができる。それで、それを保税扱いにして港へ持っていって出せるわけですよね。そうしますと、そこで通関ができると、その近くに地方港があっても、スーパー中枢港湾が非常に機能がよくなってリードタイムも短くなっていると、まずそこへ陸送してインランドデポで通関して、そしてスーパー中枢港湾から積み出す、こういうことが起こってしまうのではないかというふうに考えたわけですよ。
それからもう一つは、地方港にはやはりそれぞれ税関があるわけですから、そうすると、港のことを考えても、そこに税関があって通関できる限りは、例えば九州や山口の地方港であれば、阪神や伊勢湾へ持ってきて外へ出すよりは、どうしたって釜山へ行くことになるわけですよね。これはもちろん国際化がすべていけないと言っているわけじゃないですから、それぞれの地域によってそういう機能を分担してもちろん結構だと思うんですね。
ただ、問題は、インランドデポのことについて申しますと、これが内陸にある、内陸で通関ができるということは、地上の輸送を、陸送を結果としてふやすことにならないかなというふうに思うわけですね。それで、私ども民主党が推進している政策の一つにモーダルシフトというのがあるわけですし、これは当然国土交通省さんの方のこれからの重点政策でもあると思うのですが、スーパー中枢港湾を整備することがかえって陸送をふやしてしまうことになる、こういう御懸念をお感じにならないでしょうか。

●鬼頭政府参考人 繰り返しの御答弁になって恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように、スーパー中枢港湾の政策と内航海運の活性化というのを並行的に進めることによって、私どもとして、スーパー中枢港湾と地方港が一体となってモーダルシフトに寄与するような形での政策としていきたいというふうに考えてございます。

●松崎委員 私が申し上げたいのは、スーパー中枢港湾から内航に積みかえて、そして地方港に持っていって、近くの、輸入の場合だったら消費地に、輸出の場合では地方港から内航でスーパー中枢港湾を経由して外国へという、これがコストも安く、時間も早く、かつ環境に優しい、こういう三点セットができ上がれば一番いいわけですね。モーダルシフトというのは国土交通省さんがこれから推進されようとしている政策でもありますから、そういう観点も含めていただきたいということを申し上げたかったのです。
それから、先ほど望月委員の御質問の中に答弁ありましたけれども、例えば、神戸ではバースで内航と外航とを直づけして積みかえてというお話がありました。私は、直づけして積みかえるというと、内航船と外航船を隣に置いて、一本のクレーンで内航船から外航船へ直接コンテナを移す、外航船から内航船へ直接コンテナを移すということが一番、要するに、新幹線で上野発着で、山手線に乗りかえて東京駅から東海道新幹線に乗るんじゃなくて、東京駅まで延伸させて、東京駅で東北新幹線から東海道新幹線に乗りかえられる、これが一番便利なわけですから、同じように内航船から外航船へ直接積みかえられればいいのではないかと、非常に素人の発想で申し上げました。
そうしたら、今のガントリークレーンの性能ではそういうことはできないですよ、こういうふうに御説明をいただいたんですが、じゃ、実際に外航から内航への直接の積みかえというものが、例えば釜山だとかシンガポールだとか、そういう外国の港ではできているのかできていないのかということについて伺いたいと思うのです。

●鬼頭政府参考人 私が承知をしております日本の先進的なコンテナターミナルの例ですと、既に、内航船が外航船と同じターミナルに着きまして、内航船からおろされた貨物を一度コンテナターミナルに置きまして、それを外航船に積み直すということが一般的だというふうに思います。
ただ、シンガポール等ではそういう積みかえが大変頻繁に行われていまして、岸壁がありまして、外航船があって、その外側に内航船をつけて、内航船から直接外航船に積むという方式もあるやに聞いております。ただ、それは、コンテナの積みおろしをするガントリークレーンのアウトリーチといいますか、その長さによって制約を受けることは間違いありませんで、そういう積みかえをするところは、多分、少し小ぶりな外航船の外側に内航船をつけるとか、そういうことになっているのではないかというふうに思います。

●松崎委員 私の申し上げたかった趣旨は、要するに、高機能化していくスーパー中枢港湾ですから、できることは何でもやって、外国でやっていることは、技術的にできることであれば、ぜひ日本のスーパー中枢港湾でもやってほしいし、きのう伺ったと思いますが、釜山ではまだそれはないというふうに伺ったんですが、ないならば、日本のスーパー中枢港湾ではぜひ導入していただいて、そうすればこれはリードタイムを縮めることにもなるわけですから、できることは何でもしていただきたい、そういう趣旨で申し上げたわけです。
それでは、最後の質問になるんですが、大臣にぜひ、今までの質疑、答弁をお聞きいただいていたと思うんですが、私は、このスーパー中枢港湾というのを整備していくという際に、やはり内航フィーダーとの関係、まあ内航フィーダーの活性化ということが一方で入っておりますけれども、このことをぜひ重点を置いてやっていただきたいということと、そのときには、先ほど申し上げましたように、港湾局、海事局の観点から考えるだけではなくて、国土交通省全体で、総合交通体系ということでモーダルシフトということを打ち出しているわけですから、陸送との関係、これをぜひ全省的にお考えをいただきたい。
さらには、これは財務省関税局の方ともかかわると思うんですけれども、いろいろな省庁、各省横断的に一つの政策目標のためにぜひ協調して、スーパー中枢港湾をつくればいいんではなくて、スーパー中枢港湾をつくることが、結局は内航を衰退化させるんじゃなくて活性化させることにつながる。さらには、国内の産業にとって、日本に立地していても国際的競争力があるようにする、それが第二点。さらには、モーダルシフトという、環境の負荷を少なくしていくというその三点、すべてを総合してやはり考えていかなきゃいけないと思うんですね。
その点について大臣の御見解を承りまして、私の最後の質問にさせていただきたいと思います。

●北側国務大臣 大変貴重な御議論をいただきまして、ありがとうございました。全くおっしゃっているとおりだと私も認識をしております。
国土交通省になりまして、旧の運輸省それから建設省が一緒になりました。私は、この物流の問題というのは、その融合のメリットをしっかり発揮できる場面ではないのかというふうに思っておるんです。
先ほど来お話がございますが、地球環境の問題でいいますと、グリーン物流パートナーシップといいまして、これはやはり荷主さんが大事なんですね。この物流の世界というのは荷主が力が強いですから、物流業者の方々よりも荷主側の方が力が強いわけですね。荷主側の方々に協力をしていただきながら、荷主と物流業者とがパートナーシップで物流のグリーン化をしっかり進めていこうということで、これは昨年から会議を持ちましてその対策を進めさせていただいているところでございます。
今おっしゃいました、スーパー中枢港湾ができるのはいいけれども、それによってほかの港がむしろ外国の主要な港のフィーダー化することにならないのかということがないように、むしろ内航フィーダー輸送が活性化すること、それがほかの港の活性化さらには環境という面でもともに大事なわけでございまして、そこの今おっしゃった御趣旨につきましては、よく念頭に置いて進めさせていただきたいと思っているところでございます。
また、グリーン物流という面では、鉄道もぜひ活用すべきだと思います。
また、道路の関係でいいますと、港と、例えば荷主の企業のある、ここの道路をしっかりと整備をしていくことも私は非常に大事なことだと思っております。ここがいつも渋滞渋滞で、時間も、そして環境面からも悪いというのではなくて、やはりそういうところの道路整備をしっかりやるということは、これは経済面においても環境面においても非常に大事なことでございまして、おっしゃったとおり、総合的によく見てこの施策を推進させていただきたいと思っておるところでございます。

●松崎委員 質問をこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

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