9.2005年2月28日 予算委員会第七分科会「計量器、サマータイム、偽札について」

(衆議院第12委員室 10時30分〜11時)

●茂木敏充主査 次に、松崎哲久君。

●松崎哲久分科員 民主党の松崎哲久でございます。
予算委員会の分科会というのは、地元のことを与党、野党にかかわらず陳情のように質問していいんだというふうに先輩から教えを受けたんですが、実は、私ども民主党は岡田代表の指示で、自分たちを野党とは言わないで政権準備政党と言いなさい、こういうふうになっているものですから、余り地元の陳情事ではない、大所高所の質問をさせていただきたいと思います。できれば、大臣からは総論について御答弁をいただき、その前提となる事実関係については政府委員の方から御答弁いただければというふうに思っております。
まず、地方分権、地方主権の時代、こう言われているわけですけれでも、中央政府の役割というのは、外交、安全保障、徴税、それから土木など公共事業というのがよく言われておりますけれども、しかし、昔は、例えば中国の天子の役割は暦と貨幣と度量衡を定めることだというふうに言われていたわけですね。秦漢帝国や隋唐の世界帝国が統一を果たすと、まず最初に行ったのがこの三つ、暦と貨幣と度量衡の統一だというふうに言われております。
これは、領域内の行政を円滑に進めていくためには一番に必要だったということがわかるわけですが、ただ、近代、現代になりますと、暦、貨幣、度量衡というのは余りにも当たり前のことでありまして、意識されることが少ない。だから、その次に外交、安全保障等々が言われるんだと思いますが、意識されることがないだけ、より生活に密着しているというふうにも言えるわけです。
今、地方分権の時代にあって、中央政府の役割を考える上でこういう古典にさかのぼって考えるのも示唆に富むのではないかというふうに思いますので、私のこの分科会の質問はこういう観点で行わせていただきたい、こういうふうに思っております。
まず、総論からなんですが、政治家の役割というのは多岐にわたる、非常に多いわけですが、その大きな一つとしては、国民が安心して安全に仕事をし、また暮らしをしていけるということがあると思います。その近現代の社会では、行政というのはともすると専門的になって、あれやこれや国民を規制し、負担をかけるということが多くなりがちだと思うんですが、政治家というのは、より幅広く目配りをしながら国民の立場に立つという必要があると思うんですね。
大臣は同じように考えていただいていると思いますけれども、本質問に当たってまず最初に大臣から、政治家が立脚する立場といいますか視点といいますか、心がけるべきことについて御高見を賜ればと思っております。

 

●中川国務大臣(経済産業大臣) まず、松崎委員は、政治学者としても大変な実績がありますし、個人的にも、30年間兄事をさせていただいて、いろいろと御指導をいただいておりますので、何かいきなり、30年前、私が大学一年のときに初めて会ったときのことを思い出しながら、口頭試問を受けているような感じがいたします。
本当に松崎委員から見れば浅学非才の私でありますから答えられることは知れているわけでありまして、古代中国を治めることは水を治めることであり、そして暦、貨幣、度量衡からスタートをする。また、マキャベリの時代にはマキャベリがチェザーレ・ボルジアに対して勧めたようなこともある。あるいはまた、マックス・ウェーバーの時代にはマックス・ウェーバーの職業としての政治の考え方もある。さきの大戦のときの前後には、それぞれの国のいろいろな最大の課題があった。
では、現代は何かというと、まさに御指摘のとおり、地方分権あるいはまた規制緩和、国際社会の中での日本という大前提の中で、やはり民主主義、自由主義の中で発展をしていくということになりますと、中央政府においては、そういう大前提の中で、国民が平和で自由の中で繁栄をし、能力を十分生かす、また困っている人に対しては政治としての役割を果たしていくというために最大限努力をしていくのが我々、政党の立場を問わず、議院内閣制における国会議員としての仕事だというふうに思っておりますが、先生、いかがでございましょうか。

●松崎分科員 別に口頭試問をするつもりはないんでして、お互い政治家という立場になりますと、殊に私は野党ならぬ政権準備党の方でございますので、大臣とお話しできるのはこういう質問と答弁という形になってしまうんですが、いきなりタイムスリップをしまして、30年ぐらい前に信州の一陋屋で夜を徹して語り合ったことなどを急に思い出してしまいました。
各論に移らせていただきたいと思います。
まず、度量衡という点で、日本は古来、尺貫法というのを使ってきたわけですね。日本の伝統や文化を殊さら守るというのが自由民主党さんの御姿勢だと思ってはいるんですが、昭和26年に度量衡法というのが改正されて計量法になった。5年間経過措置があって、31年からメートル法が施行されて現在に至っているわけですけれども、日常生活の中で既に我々はもうメートル法ということになれていますが、ただ、大工さんや畳職人の方々、あるいは和裁の世界では、やはり鯨尺とかかね尺とかを使えなくなってしまって困ったということがあったわけですね。
それで、永六輔さんの運動を契機として、昭和52年に当時の通産省の機械情報産業局長の通達の形で、当分の間、尺相当目盛りつき長さ計という、物差しですけれども、製造販売ができることになったわけでございますが、その尺相当目盛りつき長さ計について、法を改正するのではなくて、機情局長の通達としたその理由というのを伺えればというふうに思います。

●原山保人政府参考人(経済産業省大臣官房審議官) 御説明申し上げます。
先生御指摘いただきましたとおり、我が国といたしましては、明治18年にメートル条約に加盟いたしまして、産業経済の発展を図るという観点からメートル系単位への切りかえに努力を行ってきたところでございます。昭和34年以降、尺系単位を取引、証明の計量に使用することが法的に禁止をされました。これを契機としてメートル系単位への統一が急速に進展いたしました。
しかしながら、ただいま御指摘いただきましたとおり、木造在来工法建築でございますとか、あるいは和裁など、そうした分野におきまして引き続き尺系単位の物差しが使われていたという実態、それから、実はやみ業者の製造した粗悪品が出回るなどの社会的問題も生じておりました。そうしましたことから、昭和52年2月から計量行政審議会が開催されまして、数度にわたる関係事業者の皆さんに対する意見聴取あるいは有識者の意見聴取等を行った上で、同年の9月20日に当時の通産大臣に対する建議が行われたところでございます。
この建議を受けまして、通産省といたしましては、計量法の実施機関である自治体の長に対し、直ちに建議の内容を反映した通達を行いまして、尺相当目盛りつき長さ計、すなわち、目盛りは尺相当のものでございますけれども、メートルに換算した値がつけられた長さ計、これの製造販売は認められるということを明らかにしたところでございます。
今お尋ねの件につきましては、そうしたことで、こういうものであれば計量法の趣旨には反していないということで、通達によってそこを明らかにしたという手法をとったところでございます。

●松崎分科員 現行の計量法には50万円以下の罰金という規定があるわけですけれども、これを外すということではなくて、通達で事実上認めているというような形であるのはなぜかということを伺いたいんですが。

●原山政府参考人 ただいま御説明いたしました尺相当目盛りつき長さ計自体が法律に抵触するものではないということでございますので、その点を改めて通達で明らかにしたものでございます。したがいまして、罰則を科されるものではございません。

●松崎分科員 実はそういうふうに事前に伺っていたんですけれども、これは国民の皆さん、誤解されている方も多いと思いますので、あえて質問の形でしたんですけれども、要するに、かね尺、鯨尺をつくって、販売して、それを使っても、それは罰せられることはないんだというような通達だというふうに思っている方が多いんですね。
今審議官の御説明で誤解をむしろ解いていただければいいと思うんですけれども、要するに、尺相当目盛りつき長さ計というのは、実は寸とか尺とか書いてなくて、何分の何メートルというような書き方をしているので、これはそもそも違法ではない。違法ではないからもちろん罰則もかからない、こういうことだというふうに理解します。
ただ、一般の方々に、やはり何となくまだ黙認されているだけじゃないかというようなもやもやとしたお気持ちがあって、時々言われることがあるものですから、念のため、調べまして御質問させていただいた次第でございます。
計量法の話はこれで終わりまして、暦について次に伺いたいんですが、科学が進歩した結果、一年を365・2422日と計算され、さらにうるう年を置いたり置かなかったり、さらにはうるう秒を置くというようなことまで含めて、相当の精度で技術が進歩しましたので、暦ということについては何の疑問もなさそうに今思えるんですが、しかしながら、実はサマータイムというのが、暦とは言い切れないんですが、やはり国民生活に重要な影響を与える時間というものを規定していく制度だと思うんですね。
そのサマータイムについては、特に今国会、与野党の方で議員立法の準備を進めるという話もありますので、事実関係について少しお尋ねをしておきたい部分があるんですが、そのサマータイム、要するにデーライト・セービング・タイムということですけれども、4月ごろに1時間進め、10月にもとに戻すということです。
サマータイムの所管そのものがよくわからないところがあるんですが、省エネが主に目的だとされることから、経済産業省、資源エネルギー庁が御所管されている部分があると思います。それで、サマータイムというのはどのぐらいの省エネルギー効果があるのか。あるいは、京都議定書の発効に伴いまして、温室効果ガス、CO2の削減という観点ではいかなるものであるかということを伺わせていただきたいと思います。

●小平信因政府参考人(資源エネルギー庁長官) サマータイムの省エネルギー効果でございますけれども、有識者や産業界の代表から成ります地球環境と夏時間を考える国民会議が平成11年に取りまとめた報告書がございます。
これによりますと、原油換算で約50万キロリットル、最終エネルギー消費量全体の0.1%強の効果があるというふうに試算をされております。

●松崎分科員 京都議定書の発効に伴い、90年に比較して6%プラス8%で14%、CO2のことですが、削減しなければいけないという中で、今長官から伺ったのは0.1%ということですから、CO2削減効果という意味でいうと案外大したことがないんじゃないか、案外というよりも極めて効果が少ないんではないか、こう思うわけです。
むしろ、温室効果ガス削減の観点では、サマータイムよりも新エネルギーの方がはるかに効果的なんではないかというふうに私なりに考えているんですが、その点、いかがでございましょうか。

●小平政府参考人 新エネルギーの導入につきましては、総合資源エネルギー調査会需給部会におきまして、2010年度に原油換算で1910キロリットル、一次エネルギー供給の3%程度の導入目標が設定をされているところでございます。また、中長期的にもその拡大が期待されております。こういう新エネルギーの導入につきましては、化石燃料利用の削減だけでなく、エネルギー自給率向上のためにも進めていくことが必要でございます。
サマータイムの導入につきましては、先ほど申し上げましたとおり、具体的な数字といたしましては50万キロリットルということでございますけれども、ほかに、数値化をしがたい国民の皆様の省エネルギーや地球温暖化問題に対します意識の向上というようなものにも資するものと考えております。
いずれにいたしましても、省エネルギーの推進も新エネルギーの推進もエネルギー政策上の重要な課題でございまして、この両方を比較いたしましてエネルギー政策上の効果を論ずることは困難であるというふうに考えております。

●松崎分科員 今長官が言われました平成11年の試算によりますと、例えば、直接的な省エネ効果として、業務用冷房の需要が8.1万キロリットル、それに対して家庭用冷房の需要が2.8万キロリットル逆にふえてしまう、そういう試算もあるわけですよね。
そうしますと、結局、サマータイムを導入するということは、業者、業界にとっては省エネルギー効果が大きいけれども、逆にそれを庶民、家庭に押しつけている、こういう構図が見えてくるわけですから、まさに政権準備政党ではなくて政権保持政党のお考えがよくあらわれているんじゃないかなというふうに考えるわけでございます。
先ほど新エネルギーのことがございましたが、効果があると今考えているのは例えばどのようなものがございますでしょうか、大きなものだけで結構なんですが。

●小平政府参考人 先ほど申し上げました需給見通しの中におきましては、新エネルギーといたしまして、大陽光発電、風力発電、バイオマスエネルギーの導入量の伸びが見込まれているということでございまして、特にこれらの新エネルギーが有望であるというふうに考えているところでございます。

●松崎分科員 ありがとうございました。
太陽光発電というのはすごく身近に、風力発電も風車のようなのが回っているのを目にすることがありますけれども、特に太陽光発電、これはもう現実に効果が上がっているというふうに思います。例えば、私の選挙区の中に東松山市というところがありますが、東松山市立の松山第一小学校というところが、最近、屋根のふきかえに際しまして太陽光発電装置を導入するということを決定しております。これは一小学校だけで16万キロワットアワーの発電が見込まれるということ、もちろん天候条件とか気候条件によるわけですけれども、予算にしまして年間200万円ぐらいは節約になるんではないかというふうに言われております。
あるいはまた、同じく選挙区の中に坂戸市というところがあるんですが、これは一昨年度の環境大臣賞もいただいたんですが、市役所で、夏、よしずを張ったり、アサガオを植えたり、432本蛍光灯を間引きしたりとか、いろいろ小さな努力の積み重ねをした結果、平成14年度比で15年度は、電力で18.4%、ガスで47.7%コストが削減できた、数字にして100万円ぐらいということなんです。こういうような積み重ねというのがやはり大きな効果になると思うんですね。
一方で、サマータイムは、直接の削減効果は、先ほど0.1%という数字がありましたが、余りない。一方で経済的、社会的コストがかかるように思われますが、これについて、特に経済コストという面で御見解があれば伺いたいんです。

●中川国務大臣 今のお話を伺っていて、ちょっと若干宣伝じみた話になるかもしれませんけれども、今の二つの小学校の例をお伺いしていて思い出すのは、愛知万博におきまして、日本館二つの電力を全部、外部電力に頼らずに太陽光あるいはよしず張り、そして会場内でのごみを発電に回すということで、外から電力を一切引っ張らずに自賄いというか、いわゆる新エネでもってやるという一つの典型例であります。
それがシンボルだと思っておりましたら、松崎委員の御地元の小学校では既に始めているということで、ある意味ではびっくりしたのでありますけれども、こういうことが、多少コストの問題とか、あるいは耐用年数の問題とか、まだまだ問題はありますけれども、もともと化石エネルギー等のほとんどない日本においては、ふんだんにある新エネを大いに活用していくということは、もちろんコストも大事でありますけれども、もっと中長期的にいっても大事な観点として我々も重要だというふうに認識をしております。

●松崎分科員 経済的なコストという面で、長官の方から伺えればと思います。

●小平政府参考人 サマータイム導入の経済的コストのお尋ねかと思いますが、先ほど申し上げました地球環境と夏時間を考える国民会議が平成11年にまとめました報告書におきましては、電力メーターや信号機の改修等のために、政府、民間部門におきまして、約1千億円程度の費用が発生するという試算を行っております。
また、この報告書におきましては、夕方明るい時間がふえることで労働強化につながる懸念があるという指摘もされているところでございます。

●松崎分科員 今長官がおっしゃられた1千億程度の内訳として、交通信号機が350億あるというふうに伺っているんですが、これについては、警察庁さんの方から、交通信号というのはどういうふうにかかわっているのかということを伺えればと思うんです。

●矢代隆義政府参考人(警察庁交通局長) 御説明申し上げます。
一般的な信号機には基本的に万年カレンダーとタイマーが組み込まれておりまして、時間帯ごとの予想されます交通量に対しまして、青時間の現示を変えて信号機の制御を行っておるわけでございますが、サマータイム制度が導入されまして、時刻がシフトして交通量がピークとなる時間帯が変わってまいりますと、あらかじめ設定されております青信号時間のパターンでは適切に対処できずに、交通処理に問題が生じます。
そこで、これを回避するためにタイマーのプログラムを変更し、時刻の切りかえに対応できるようにする必要がありますし、また、タイマーのみで万年カレンダーが組み込まれていない古いタイプの信号機につきましては、あわせて万年カレンダーの機能を組み込みつつタイマーの切りかえを行うということでございます。

●松崎分科員 なるほど、交通信号とか、いろいろな意味で幅広く社会経済生活に関係しているんだなということを実は感じたわけですが、その1千億という内訳、いろいろ書いてあるんですが、実はこれだけじゃないというふうに私は考えるんですね。
これは明らかに経済的な数字が算出しやすいものだけでこのぐらいあるのであって、例えば家庭にある時計、昔でしたら大きな柱時計が一つで済んだかもしれませんが、今はもう家にはたくさん部屋ごとに時計があるし、さらには家庭電化製品には全部タイマーが内蔵されているわけですね。これを全部一時間ずつ変えていかなければいけないという大変な労力を、家電製品に詳しい、強い若者にはいいかもしれないけれども、特にお年寄りなどには大変負担をかけるんじゃないかなというふうに考えるわけでございます。
実は日本でもサマータイムを導入したことがあるわけですけれども、多分我々の世代はサマータイムの経験が日本ではないんですが、茂木委員長は、私はハーバード大学の同窓ですので夏時間の切りかえを経験したことはわかるんですが、中川大臣はいかがですか。経験されたことがございますか、切りかえ日というのは。

●中川国務大臣 松崎委員や茂木主査のような優秀な留学経験はございませんし、社会人になってからもございませんので、サマータイムそのものを経験したことはございません。

●松崎分科員 私は、ある朝、授業へ行ってみたら、全くもぬけの殻で人が一人もいなかったという経験をしております。これは笑い話で済むんですけれども、やはりお年寄りとかいうような、あるいは障害のある方々のことも考えると、なかなかこれを一個一個時間を変えていくというのは大変なんではないかなというふうに思います。
時間が限られておりますので、度量衡、暦と続いたので、ちょっと貨幣の問題を扱いたいと思うんです。
貨幣に対する信用、信頼感というのは大変重要なことですが、今世間を騒がせておりますのは偽造カードの問題がございます。これについては銀行協会の方も、また金融庁の方もいろいろ検討を始められるということですが、非常に重大な問題だと思いますけれども、とりあえず今はおきまして、にせ札の問題がございます。
これはまた警察庁の方に伺いたいと思うんですが、通貨の偽造というのは大変重い犯罪だと承知いたしておりますけれども、仮ににせ札と知って使ったら、それは個人であっても罪になると思いますが、そのとおりでよろしいんでしょうか。

●岡田薫政府参考人(警察庁刑事局長) にせ札と知って使えば、通常は何らかの犯罪になろうかと思います。個別のケースによって異なる罪名になります。

●松崎分科員 それでは、例えば1万円をつかまされてしまった、この1万円をつかまされてしまったので交番あるいは警察に正直に届けたとしたら、この1万円は没収されてしまうんでしょうか。

●岡田政府参考人 通常、偽造通貨につきましては、偽造等事件の証拠品となりますので、原則といたしまして届け出人から任意提出をしていただいて、警察において領置、鑑定を行った上、被疑者が検挙された場合には関係書類とともに検察庁に送致される、そういう手続になろうかと思います。

●松崎分科員 没収ではなくて任意提出だということですけれども、実際には、1万円つかまされたものを警察へ出してしまうわけですから、使えないわけですから、1万円を損してしまうわけでございますね。正直者が損をするというこの制度、どうかなと思うんですが、昔は拾った百円札を交番に届けたら、坊やいい子だね、こう言われまして、ああ正直にすると気持ちがいいんだといって、こういう正直な私が今あるわけでございますので、にせ札1万円を届けても何か正直者が損をしないような制度というのはお考えいただくことができないんでしょうか。

●岡田政府参考人 私も、正直者が損をしない、することの少ない社会というのは大切なことだと思います。
偽造通貨の取得後の行使とかそういった犯罪については、御案内のとおり、知らないで入手して使った場合は刑を軽くするというような条文がございますけれども、この条文の立法論に関しまして、ある教授は、それは罪を軽くするのではなくて、むしろ、そういうものを受け取った場合には何らかの補償制度を考えるべきではないかというような御意見をコンメンタールの中で紹介されたりしております。
警察といたしましては、補償ということではないのですけれども、金銭的な被害、そういう補償ではありませんけれども、通貨偽造犯罪に対する国民の積極的な協力をいただくということを目的として、偽造通貨を発見して届け出ていただいた方には協力の度合いに応じた額の謝金を出すような運用をいたしております。

●松崎分科員 時間が少なくなってきたんですが、刑事局長にもう一問。
謝金というのがあるということは、マスコミでもテレビでも新聞でも全然出てこないんです。とにかくつかまされ損、届け損というふうに思っているんですが、謝金という制度があるんでしたら、これはぜひ、国民に正直になってもらいたいわけですから、もっと広報されたらいいかと思うんですが、なぜ余り知られていないんでしょうか。

●岡田政府参考人 余り知られていないかどうかということについて私どもは論評する立場にはないんですけれども、実は年末年始に大分偽造通貨が出回りましたときに、私のところに数名、少なくとも二人、もう少しきっとあると思うんですけれども、こういう制度があるらしいんだけれどもどうだろうかというお尋ねがありましたので、必ずしも十分正確な御理解かは別として、意外と知られているところもあるんじゃないかと思います。
それから、新聞等からもいろいろ取材がございまして、それに対する対応等も行っておりますし、一部にはホームページ等でその制度を紹介しているということもございます。

●松崎分科員 そういう制度があるということで、正直者は損をしないということを警察の方でもお考えいただいているということを伺いまして、大変安心しました。
時間がなくなりました。最後一問だけなんですが、古来、政治家は護民官、民を守るという役割を果たしてきたんですが、市民の生活を安全にし、安心して暮らせるようにするというのが政治家の仕事だというふうに私たちは思っているわけです。
最後に大臣に、先ほど穀田委員の質問に対して、国がああしろこうしろと押しつけするのは余り好ましくないと御答弁されたわけですが、それと同じように、サマータイムがどうのこうのということは今お立場としてなかなかお答えにくいとは思いますが、一般論で結構ですが、一般論として、いたずらに国民に負担をかけない、負担を大きくしない、そういうような政策は望まれないんだというようなことを御決意を述べていただけたら、国民の代表として私も安心しますし、国民も安心できると思うんです。ぜひ最後に御答弁いただきたいと思います。

●茂木主査 中川大臣、質疑時間が終了しておりますので、簡潔にお願いします。

●中川国務大臣 松崎議員の御質問は本当に大変勉強になりました。
国民にいたずらに負担をかけない、このいたずらにという言葉は当然のことでございまして、いたずらに負担をかけちゃいけない。ただ、負担をかける場合には、なぜ負担をかけることによってこれが必要なのかということを十分御理解いただき、そしてまた御納得をいただく。我々は御納得がいただけなければ次の選挙のときに審判を受けるわけでございますから、そういうある意味では重い責任、判断を認識しながら、松崎議員の御趣旨のとおりだというふうに理解しております。

●松崎分科員 どうもありがとうございました。質問を終了いたします。

●茂木主査 これにて松崎哲久君の質疑は終了いたしました。

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