8.2004年5月26日 国土交通常任委員会「旅行添乗員、チケットを伴う旅行について」

(衆議院第18委員室 9時50分〜10時20分)

●赤羽一嘉委員長 松崎哲久君。

●松崎哲久委員 民主党の松崎哲久でございます。
今、高木委員の質疑、答弁を伺っていますと、若干別のといいますか、逆方向の観点からの質問になると思いますので、よろしくお願い申し上げます。
今回のこの旅行業法の一部改正でございますが、提案理由の説明によりますと、旅行需要の多様化に対応する、こういう言い方をしていますね。要するに、旅行需要というのは消費者の好みという、私どもの考えからすれば、旅行需要というのはどちらかというと上から見たような感じだと思いますが、私どもの立場でいえば、消費者の立場で、消費者の好みが多様化しているということだと思いますが、それに応じて新たに企画旅行という形の旅行を設けるという趣旨は時宜に即したことだと基本的に考えております。
しかしながら、この改正法案の中身を子細に検討させていただきますと、今、澤井総合政策局長は、必要最小限の規制をする、こうおっしゃったんですが、その必要を満たしていないのではないかというような点が若干ございます。その点につきまして、その真意を伺いつつ、さらなる御検討をお願いしたい、こういうことでございます。
最初は大臣に御質問させていただきたいのですが、先ほど高木委員の質問に対しまして文学的な御答弁をなさっていましたのを拝聴いたしました。
まず、私の考えるところによりますと、旅行というものは、消費者にとってはかなり高額の商品であると同時に、一回性のものだというふうに認識をさせていただいております。つまり、機会を失ったら取り返しのつかない大切な商品なんだということでございます。
もちろん、簡単なものもございます、料金的にも高額ではないものもございますが、例えば新婚旅行ということを考えていただければ、もうこれは一番典型的なケースだと思いますけれども、何10万の費用をかけて、そしてこれは1回しかないわけですね、1回である方がいいわけです。あるいは他の旅行でも、何年も貯金をして一生懸命旅行の費用を出して、さらには仕事についている方は、その仕事を調整して、時間を捻出して、それで休暇をとって行くというかけがえのない商品なんだというふうに考えるわけです。
失敗があったときに、後で金銭的に補償すれば済むというようなものではないわけです。高額なものであっても、後でクレームがついたら、取りかえたり、場合によれば返却すれば済むというような商品もあるわけでございますけれども、旅行というものは一回性だというところに特に特徴があるというふうに考えております。
もちろん、国土交通省さんでもその御認識があるので、旅行業法でいろいろな規制をかけているということはわかっております。その観点で今回の改正を見直したときに、その趣旨が果たして貫かれているのかなと思う部分があるので、後で質問をずっと繰り広げていきたいと思いますが、まず、旅行というのは単なる物ではないんだ、そういう商品だということを、大臣、御認識がございますかどうか伺わせていただきたいと思います。

 

●石原伸晃国務大臣(国土交通大臣) 今の松崎委員の、機会を失ったら取り返しのつかない一回性のものである、大変的確な御表現でありますし、そう言われてみましたら、旅行へ行きまして、雨ばっかりだったら何てついていないんだろうと思いますし、ましてや、食べたものにあたったりしたらもう二度と来ない、本当に1回だけ、そのとき訪ねるところによって満足もし、不満足もする。そういう意味では、本当に委員の御指摘のとおり、普通我々が買い物をするような物ではなくて、形のないものであるということを改めて感じております。
そういう中で、旅行という形のないものをどうやって消費者の皆さん方に満足していただけるようにしていくのか、こういうことにやはり今回の法律案の目的というものはあると思いますし、また、こういうことによりまして満足度を高めていく努力というものはこれからも怠ってはいけない、こんなふうに考えております。

●松崎委員 大臣には後で、最後でまた伺いたいと思うんですが、今大臣がおっしゃった、天気が雨だったらというのは、これは不可抗力の部分ですからしようがない。食あたりしたらもう大変だ。これはホテルの業者の問題とかそういうことになると思うんですが、実は、私の質問で取り上げさせていただきたいのは、旅程管理業務の業務を行う者、いわゆる添乗員について、特に添乗員の研修について伺わせていただきたいと思っているんです。
今回の改正は、いわゆる添乗員の研修について指定制から登録制に変えるというようなことで承知をいたしておりますが、これが14年3月の公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画というものの中で旅程管理研修の登録化というのが打ち出された結果であるというのは承知いたしておるわけでございますが、これを登録制にしたという目的とポイントについて政府参考人から伺えればというふうに思います。

●澤井英一政府参考人(国土交通省総合政策局長) 端的に申しますと、水準以上の研修ができる研修機関に幅広く研修という市場に参加していただいて、競争によってより質を高めていきたい、また、そのように今回の改正を運用していきたいということでございます。
若干申し上げますと、現行法においては、主催旅行に参加する旅行者に同行して添乗する格好で旅程管理業務を行う、そういう者について、特に旅行業者が選任する者のうち主任の者につきまして、専門的な業務知識とか資質の確保を通じ、旅行地における臨機応変な措置の実行を可能ならしめる、それによって旅行者の保護に万全を期する観点から、国土交通大臣の指定する者が実施する旅程管理研修の修了を現行法は義務づけているということです。
これまで、国土交通大臣の指定につきましては、端的に言えば国土交通省の総合的判断という中で行われてきたんですが、まず、今回の改正では、法律レベルで、この研修における必須科目を旅行業法とか旅行業約款に関する科目、それから旅程管理業務に関する科目ということの二つだということを法律で定めまして、これを教授する講師について求められる資格や経験も法律で決めて、この法律で決められた明確な基準を満たす者は登録して研修事業に新規参入できるということにしたというのが一点です。
これによりまして、一定以上の研修実施能力を有する民間の自由な参入が可能となりますので、先ほど言いましたように、競争が行われてより質が高まるということを我々は意図しているということでございます。

●松崎委員 例えば、専門学校の中にトラベル専門学校だとか、そういう専修学校等々もございますから、そういうところは当然この登録機関になり得ると私も思います。
しかしながら、今、科目について参考人の方からお話があったんですけれども、では、何時間ぐらいの研修を想定しているのかというようなことについて、要するに今現在の指定機関、例えばJATAというところでの研修の例を拝見しているんですけれども、国内に関しては3日間、海外であればプラス2日間ということで、計5日。それから、時間的には、国内であれば20時間プラステスト1時間というような、研修と言う割には極めて簡単、簡略なんじゃないかなという印象を持ちます。一方で、その料金は必ずしもお安くもないように思います。
ですから、目的の水準以上の研修ができるところ、それは確かにあると思います。そこが競争によって幅広くいい研修をしてもらうんだという趣旨はもっともだと思いますし、そのとおりで結構だと思うんですが、果たして、その国が考える研修というのはどの程度のもの、現行行われているものをもう少し充実してほしいという趣旨なのか、今程度と同水準のものが行われれば、それは登録機関として遜色ないものだ、問題がないんだというふうにお考えになっているか、その辺の御認識をいただきたいと思うんですが。

●澤井政府参考人 現在、現行法のもとで行われております研修につきましても、国と指定を受けた研修機関の間で、旅程管理研修協議会という場がありますので、その場を通じましていろいろな意見交換などをし、そういったことを踏まえて、研修内容についても適宜見直しをしてきたという経緯がございます。一定の水準は確保できていると思っております。
例えば、御指摘の例でいえば、海外旅行まで含めた旅程管理をする場合の研修については合計で36時間、5日、それから、国内だけの旅程管理ということであれば22時間ということで、科目とか何かも、語学なんかも含めて決まっているという実態がございます。
今回の改正につきましては、先ほど言いましたが、登録でより参入をふやして競争させていこうということなんですが、法律でまず科目と講師の要件を決めたと申しました。あわせまして、その法改正を受けて、従来はなかったんですけれども、国土交通省令において、登録講習科目ごとの講習時間とか、あるいは講習の頻度とか、講習受講の資格者とか、修了試験の実施義務などにつきまして、一方では、一定の水準が維持されなきゃいけないという観点、一方では、登録にした趣旨を踏まえて、ある程度の弾力性を持たせながら、競争を促すという双方の観点を踏まえて省令の整備をしていきたいと思っています。
なお、改正案では、この省令の基準に違反した場合には業務改善命令などもかけられる仕組みにしてございます。そういうことによりまして、結局、例えば研修生、この人にとってはこの科目は不必要だというような場合にはそれはもう省くとか、あるいはかなり人気のある研修になってきたので少し料金を下げるとかいうようなことも競争の中でしやすくしたい。
いずれにしましても、この法律を成立いただければ、その施行までの間に、今言いました研修内容に関する省令の基準も定めますので、現在の研修の実態も改めて踏まえまして、水準以上の研修が適切な競争の中で行われるように省令内容についてもきちんと吟味し、検討していきたいと思っております。

●松崎委員 先ほど私、国内で20時間と申しましたが、20時間とテスト1時間、1時間で、局長は22時間、こうおっしゃったわけです。私のさっきの質問は、今の現行で行われている研修で同程度のものでいいのか、もう少し強化していくのかということだけ、ちょっともう一度お願いしたいんですが。

●澤井政府参考人 国と研修機関でいろいろ議論しながら、見直すべきところも見直してきたという経過もございますので、基本的には今のままでも一定の水準はあると思っていますが、よりよい、質の高い研修が導入できるように、新規参入の方の研修も含めて、省令内容等の検討を通じてそういうことを目指していきたいと思っております。

●松崎委員 現行の制度でいいますと、この研修を受けて、さらに実務経験を積むことになっておりますね。この実務経験というのは、現行ではどういう規定でございましょうか、省令で定められていると思いますが。

●澤井政府参考人 先ほど申し上げました研修に加えまして、御指摘の実務経験の要件を課しております。これも、かつて定められていた基準をいろいろな実態を踏まえて見直した結果、現在に至っているという前提で申し上げますと、2通りありまして、研修と前後すること1年以内という、かなり接近した実務経験であれば1回でいい。それから、研修後、少し長い間かけて実務経験を踏むということであれば、5年に3回以上というのが現在の基準でございます。

●松崎委員 大臣、省令までご存じないと思いますので、ここちょっと聞いて、後で伺いますけれども、もう1回繰り返しますけれども、今政府参考人がおっしゃったのは、研修があって、それに実務経験がついていると、実務経験がどのぐらいですかと私質問しましたら、1年間に1回経験があればいい、こういうことなんですよ。まあ、5年に3回ですけれどもね。
1年間に1回というのは、要するに1日添乗の業務につけばこれは経験があったということにみなされている。私は、ちょっと普通の感覚では、これは違うと思うんですよ。1日、旅行についていって、果たして十分な実務経験があると言えるかどうか、非常に疑問だと思うんですね。極論すれば、研修を受けて、主任、既に研修を済ませた者について1日乗って帰ってくれば、2日目からは自分が主任になれるということですから、これはちょっと本当に大丈夫かなというふうに思います。
それで、私は、念のため、ちょっと局長に伺っておきますが、今後この改正法になって、今これは現行法の省令ですから、改正された場合にこの辺の基準を見直されるお考えはございますか。

●澤井政府参考人 実は、現行の基準は、平成8年に、それまでは過去10年以内に3回以上というところだったのを、もっと近い経験にすべきだということで、直近の前後1年、あるいは5年以内に3回以上というふうに直した経緯がまずあります。それによってより重い基準になったと思っています。
これは御承知とは思うんですが、この実務経験に行く場合には、それとは別にきちんとした主任、旅程管理業務の主任者がいなきゃいけないんですね。だから、企業にとっては、旅行会社にとってはその限りでは一定の負担になる。ただ、一方で、きちんと実務経験も踏ませなければいけない。両方の要請を調和させて、これは義務づけですから、義務づけという格好ではこの水準だろうということで、関係方面とも話しながら、実態も踏まえて決めてきたということですので、今のような1年以内1回とか、5年以内3回以上とか、そういうことで直ちに不十分だというふうには考えておりません。
ただ、個々の旅行会社の方針として、主任でなくてもきちんとできる人をいっぱいそろえて、それをお客様への売りにしようというようなことは、これは全く自由ですし、まさに旅行会社間の競争の問題だと思っています。繰り返しですけれども、義務づけですから、必要最小限のものという考えで、逆に言えば、これは絶対やっておかなきゃいかぬということでございます。

●松崎委員 例えば、国内旅行に関していいますと、研修は3日間なわけですね。その3日間で、4日目にどこか箱根か近場に行って帰ってきて、5日目からはもう一人前の主任になれる。主任になれるというのは、一つの、これから企画旅行、今までは主催旅行、この旅程管理については全責任を負う添乗員1人いればいいわけですから、そうすると、その1人が、要するに入社して5日目からできるということですよ。
普通の民間企業に就職して、1カ月ぐらい研修して、それから社内でずっと研修して一人前にだんだんなっていくということから考えれば、5日目にはもう主任で、旅程管理全部に責任を持つ立場に立つというのは、いかにも安易なといいますか、促成栽培のような感じがするんですよ。
ですから、せっかく、業法の改正ですから、これについては必要最小限なんだ、義務づけるのはこの程度だとおっしゃるんですが、しかしながら、この辺については、今回の法改正にはもちろん間に合わないとは思うんですが、関係の業界団体等と御検討いただいた上で、ぜひ、さらなる検討をお願いしたいと考えているんです。
その趣旨は、やはり何といいましても旅行の印象を決めるのは添乗員さんなんですね。何事もなく、つつがなく旅程が進んでいけば添乗員さんは要らないかもしれないけれども、そこでトラブルが起こったとき、オーバーブッキングがあったとかいろいろな問題が起きた、あるいは道中で事故があってルートを変更しなきゃいけない、いろいろなときに、そういうトラブルがあったときに、それでも次善の策、三善の策を考えて、新しいルートを見つけてまた対応していくというのは、ベテランの添乗員さんの臨機応変の処置がいいかどうかというのは非常に大きな印象を与えると思うんですね。
それも先ほど大臣に、冒頭に伺いました。旅行というのは一回性のもので取り返しがつかない、旅行が失敗したから後で料金を返却すればいいというような性質の商品じゃないんじゃないんですかということを伺って、大臣もそのとおりだと御答弁いただいたと思うんです。やはり旅行の印象を決める、むしろ、企画そのものよりも、例えば1週間の旅行、2週間の旅行、その間で実際にどういうことが起こったか。小さなトラブルは常にあると思います。でも、大きなトラブルが起こったときにどういうふうに対応できるかというのは、消費者、つまり我々にとって大変重要な要素だと思います。
それで、規制改革というのはもちろん小泉内閣の大方針でありますし、また、平成12年12月の行政改革大綱、資格付与等の事務事業の見直しの観点でこの改正が行われてきた、こういう経緯がある。わかりますけれども、業者に対する規制緩和というのは、一方で消費者の福利に反する、逆行するということがあり得るんだということをぜひ御認識をいただきたいと思います。
私どもはそういう立場で、業者に対して規制緩和をして、参入して競争が行われる、それは確かにいい商品を提供することにはつながると思います。一方で、どこかの水準でやはり消費者が安心して商品を買うことができる、この際であれば旅行に参加することができるということは大変重要なことだと思いますので、改正のこの部分というのはやや逆行しているんじゃないかということについて、大臣、御所見をいただきたいと思うんです。

●澤井政府参考人 旅程管理と添乗員との関係の制度的な仕組みだけについて、ちょっと一言申し上げたいと思うんです。
旅程管理責任というのは、あくまでも添乗員というよりは旅行会社、組織体としての旅行会社にございます。それを果たすやり方として、添乗員をつけて、その添乗員が全部やるというやり方もあれば、組織体として、そういう能力を持った人はつけないけれども、きちんと行った先、行った先の、例えばその旅行会社の営業所、支店のようなところが連絡をちゃんともらっていて、お客さんから連絡があればすぐに対応できる体制をとっておくということでもいいわけです。
それをさらに延長しますと、添乗員で旅程管理をやるつもりの人が1人ついていたけれども、いろいろなことがあって手が足りなくなったというときには、旅程管理責任を果たすために、旅行会社としては、むしろ組織体として力を補充してやるということは必要なんですね。そういうことはきちんとやらないかぬという制度になっておりますということが一点。
それから、先生も御指摘のように、今回のように法律をかなり大きく改正させていただくという機会をとらえて、今までの運用実態も踏まえて、この点に限らず、いろいろなところを見直すべきいい機会だと思っておりますので、そういう対応はしたいと思っております。

●松崎委員 今、局長の御説明はよくわかりました。それは、もちろん旅程管理そのものは企画の段階での会社の方であって、ただ、やはり旅行というのは常に出先出先でいろいろなトラブルが起こるわけですから、そのときの対応については、ベテランの添乗員さんが乗っていてきちんと対応できたかどうかというのは、消費者、旅行者の方の印象にも大きくなるわけです。
もちろん、いい添乗員をつけない会社というのは長期的には淘汰されていくかもしれない、営業成績が上がらないかもしれない。そこで問題なんですよ。だから、この商品が取り返しがつくものであれば、そういう旅行会社というのはある意味で競争力を失っていく、それはもちろんわかるんです。ただし、旅行というのはあくまでも一回性のものだから、新婚旅行は原則として一生に1回しかないわけです。ですから、その1回のときにその旅行会社を選択したということが影響があるものですから、旅行という特殊な商品については、やはり入念な対応が必要じゃないかということを考えております。
その点について、大臣、御所見をいただければと思います。

●石原国務大臣 これは、添乗員の方が気がきく人か気がきかない人かということに一義的にはかかってくるんだと思うんですけれども、やはり委員御指摘のとおり、質の高い研修の実施環境というものを整備していくことを通じて、添乗員の皆さん方が、どんなに気のきかない者でも、オーバーブッキングで泊まるところがないとか乗る飛行機がないというようなことに対してどういうふうに対応できるのかといった現地での対応能力の向上を通じまして、旅行者の方の保護というものを図っていくように努めたいと考えております。

●松崎委員 ありがとうございました。
もう一点、ちょっと重要な問題、今までの問題と離れるんですけれども、お聞きしたいことがございます。
それは、つまり、平成10年のフランスにおけるサッカーのワールドカップ大会の際に、現地での切符が手配できなかった、入場券が手配できなかったために、旅行がキャンセルになったり、行ってみたけれども現地で観戦ができなかったということで、非常に社会問題にもなりました。
その辺について、国土交通省、当時はまだ運輸省だったかもしれませんが、当然改善がされていると思うんです。ことしはアテネでオリンピックもございます。現地での入場券等の手配、例えばオリンピックだけじゃなくて音楽祭だとか観劇だとか、そういうことの現地での切符の手配ということを含めて行われる旅行というのが特に企画旅行というようになってきた場合にたくさん出てくると思うんですが、こういう際に、要するに平成10年の失敗を繰り返さないような、どのような対策がなされているかということについて伺いたいと思います。
特に、アテネ・オリンピックというのは今大車輪で会場を整備していますけれども、間に合わないかもしれないということをみんな不安に思っているわけですから、安心できるような御答弁をいただけたらと思うんですが、よろしくお願いします。

●金澤悟政府参考人(国土交通省総合政策局観光部長) お答え申し上げます。
平成10年のワールドカップ・フランス大会の際に、今松崎委員御指摘のとおり、多くの旅行業者がみずから主催したツアーに必要な枚数の入場券が確保できないという事態が発生いたしました。
その原因は、一つは、主催者側の入場券の流通経路の情報公開が十分でなかった。どのルートで流しているか十分に情報公開がされなかった。それからもう一つ、主催者が販売業務を委託した、FIFAが販売業務を委託した公認代理店の中に極めて不適切な業務を行った者があったということが二つ目の理由でありました。さらに、主催した日本の旅行業者の側の問題につきましても、入場券の入手の確保について十分な社内の体制をとっていないところがあったというようなことが、当時、問題の発生に当たって私ども観光部が解析した原因でございました。
こういう事態を踏まえまして、当時、運輸省でございましたが、観光部におきましては、旅行業者に対しまして、大規模な海外イベントについて主催旅行を実施するような場合には、必ず入場券の流通経路等についての情報を的確に把握して、これを確実に確保するということに努めなさい。二番目には、募集をしました後には、入場券の入手先と十分連絡調整をして、確実に入場が果たされるようにすることを徹底しなさい。三点目には、主催旅行を募集するときに、必ず表示事項、あるいは広告基準のガイドラインというのがございますが、そうしたものを守った適正な表示をするということを強力に指導いたしました。
こうした当時の指導を受けまして、その後、各旅行会社におかれましては、それぞれ工夫をされまして具体的な再発防止策が講じられたということでございます。
今、松崎委員お話しのとおり、本年はアテネのオリンピックがございます。この対応につきましては、ワールドカップの場合と異なりまして、実は入場券はすべて日本オリンピック委員会、ここが一括して国内の業者に供給するという仕組みになっております。したがって、現在のところ、我が国の大手の旅行業者六社が、アテネの方の大会組織委員会と日本のオリンピック委員会、この三者協定を結びまして、公式旅行代理店として、入場券の購入の権利あるいは国内における販売権を確保しておりますので、今御心配のようなワールドカップ・フランス大会のときに発生したような事件は発生しないというふうに私ども考えておりますが、今後なお指導をしてまいりたい、このように思っております。

●松崎委員 入場券については日本のオリンピック委員会だということなのでそれは大丈夫だと思うのですが、入場券があっても大会そのものが若干不安があるようなので、その点につきましては、募集の仕方等々については関係会社の方で十分に御注意があるというふうに思いまして、私の質問、これで終わらせていただきまして、質問者を交代させていただきます。
どうもありがとうございました。

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