1.2004年3月1日 予算委員会第二分科会「特殊乗車券について」

●植竹繁雄主査
これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松崎哲久君。

●松崎哲久分科員
おはようございます。
民主党の松崎哲久でございます。
昨年11月に初当選をいたしまして、本日が初めての質問機会となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
ただいま大臣から予算について御説明がございましたように、本日は、総務省所管の予算について質問させていただく場でございます。初当選、初質問ということもございまして、まず、私が代議士となりました原点と申しますか、代議士になる前の選挙の際に感じましたことを取り上げまして、御質問させていただきたいと思います。もちろん、総務省の所管でございますし、予算に絡むことでございます。
実は、私は、大臣御存じかどうかわかりませんが、選挙を4回やっております。苦節11年、3回落選の末に今回初めて当選させていただいたんですが、昨年の総選挙の際に初めて見まして、大変に驚いたものがございます。
候補者や運動員が選挙期間中に選挙運動に使用いたします電車などのパス、特殊乗車券というんですが、制度はもちろん知っておりました。しかしながら、私自身が実物を手にしたのは初めてだったんですが、大臣はこのパスをご覧になったことがございますでしょうか。また、御自身で使用されたことがございますでしょうか。

 

●麻生太郎国務大臣(総務大臣) 存在は知っております。見たことはありません。使ったこともありません。私のところは余り使う機会がないんだと思いますが、使うことはありませんので。

●松崎分科員 率直な御答弁を伺いまして、感謝申し上げます。
選挙運動は自動車でするというのが昨今でございますから、当然、見たことも使用したことも、まして候補者自身が使用したことがないのは普通だと思うんですけれども、それでは、想像と申しますか、大臣の陣営ではどのくらい使用されているか、例えば回数でも結構ですし、額に換算しても結構でございます、お答えいただければと思います。

●麻生国務大臣 私の知っている範囲で、うちの選挙区内で使っているのは、これはたしか15枚もらえるんだと思いますけれども、うちで使っているのはいないと思います。

●松崎分科員 それでは、大臣、使っていらっしゃらないということは、これは候補者の陣営が請求はできるんですけれども、請求をされていないということだというふうに理解してよろしいのかなと思いますが、実は、これが実物でございます。もしよろしかったら見ていただければと思うんですが。
特殊乗車券というのは、こういう定期券のようなものですね。実際に定期券を代用しているんですけれども、金額が書いてございます。私の場合は、これは1万7290円という金額が書いてあるんですが、そこで、私が思いましたのは、金額が書いてあるということは、ひょっとして鉄道会社にこの料金を支払っているんだろうかというふうに思いました。
実際は、大臣と同じように私のところも使用しないんです。私のところは15枚請求はいたしまして持っておりますけれども、ひどいときには事務所の机の中に眠ったままのこともあるんですね。私の場合、交通渋滞を避けて隣の駅に移動するときとか、スタッフが県庁の選管へ行くときとか、最終日の打ち上げのときには大人数で移動したりしますので、そういうときに使わせていただいてはおりますけれども、大体、累計で数千円程度、多くても1万円程度、金額に換算すれば、使ったのはそのぐらいの数字ではないかと思うんです。
これに対して、私の場合ですが、1枚1万7290円掛ける15枚、合計25万9350円分のパスが交付されていることになるんです。もちろん、これは候補者の数だけ出ますから、私の選挙区では3人立候補いたしましたので、全員が請求したとして、一選挙区で77万8050円、こうなるんですが、大臣の場合、計算上で結構なんですが、福岡8区の場合、幾らになるでしょうか。大臣は御存じなくて結構なので、選挙部長さん、お願いいたします。

●高部正男政府参考人(総務省自治行政局選挙部長) 特殊乗車券の運賃につきましては、鉄道とバスで異なりまして、また鉄道の運賃は、御案内かと思いますが、都道府県内の旅客営業キロ数に応じて定められているところでございます。
それをどう選ぶかというのは、各候補者が選ぶということになっておりまして、15枚の特殊乗車券のすべてをJRで利用したというふうに仮定いたしますと、大臣の場合でございますが、今おっしゃられた額と同額になりますので、25万9350円、都道府県内の営業キロ数が同じでございますので、1枚当たりは同じということになりますので同額になるということになります。

●松崎分科員 県内の営業キロ数は同じだと。私は埼玉県で、大臣は福岡県なんですけれども、全く同じというのはちょっと解せないんですが、上限が決まっているとか、そういうようなことでしょうか。

●高部政府参考人 この特殊乗車券の発行方法につきましては国土交通省の告示で定められているところでございまして、鉄道、軌道の場合は三ランクでございまして、都道府県内の営業キロが20キロまでのもの、それから20キロを超えて50キロまでのもの、50キロを超えるものという三段階で金額が決められておりますので、埼玉県と福岡県、同じ額になるということでございます。

●松崎分科員 事情はわかりました。
もう一度確認させていただきたいんですが、営業キロ数に応じて金額が定められている。そうすると、JRの場合でも私鉄の場合でも同じということなんでしょうか。

●高部政府参考人 鉄道、軌道につきましてそのように定められておりますので、同じでございます。

●松崎分科員 それでは、基本的には、25万9350円掛ける300小選挙区というような感じで計算してよろしいかなと思うんですが、念のために伺いたいんです。この金額の計算なんですけれども、これは1カ月と書いてあるんですけれども、日数を掛けてあるということでしょうか。

●高部政府参考人 この特殊乗車券は、選挙時の使用でございますので、選挙の一定期間の利用を前提にしておりますので、それぞれ、15枚の後払証で、1枚もらいますと、それ1枚につき幾らという払い方でございます。

●松崎分科員 先ほど大臣にお見せしましたけれども、この実物なんですけれども、有効期限が11月14日までと実は書いてあるんですけれども、投票日は11月9日でした。選挙運動は当然8日までしかできないわけなんですが、これが14日までというふうに書かれてある、それまで有効だということの根拠といいますか、理由といいますか、ございますでしょうか。

●藤井章治政府参考人(国土交通省総合政策局次長) お答えを申し上げます。
制度の沿革は非常に古いわけでございますが、さかのぼって調べてまいりますと、昭和24年、国鉄が発足いたしました当時に、乗車券の通用期間の延長の期限が5日間というふうに定められておったところでございます。
これに基づきまして、昭和25年の公職選挙法の施行に伴う公職の選挙立候補者用特殊乗車券の発行方法等を定める件の告示に際しましても、この通用期間が選挙期日後5日を経過する日までというふうに通用期間を適用したものでございまして、これは当時の、旅行終了までの必要日数とか、あるいは列車の運行状況とか、乗車距離、あるいはまた不測の列車の不通といったようなことを勘案して、最大限とって5日間というふうにしたものだと推定しておるところでございます。

●松崎分科員 わかりました。それについてはちょっと申し上げたいこともあるんですが、時間も限られておりますので、そのことはとりあえず打ち切りまして、この費用は、だれがだれに対して払っているんでしょうか。少なくとも候補者は自分自身では払っていないということでございますが。

●高部政府参考人 ちょっと手続を御説明いたしますと、特殊乗車券は、先生御案内だと思いますが、選挙長が公職の候補者旅客運賃後払証というものを交付いたしまして、これと引きかえに候補者に交付するということになっております。
この特殊乗車券を交付いたしました鉄道事業者でございますとかバス会社等は、旅客運賃後払証を添えまして総務省に後払い運賃を請求するという仕組みになっておりまして、この請求を受けまして総務省は、事業者の別、後払証の枚数を確認いたしまして支払いをするという形になっております。

●松崎分科員 総務省が最終的にお払いいただくということですから、つまりは国民の税金ということだと思います。
私は、このパスの実物を見まして、これはおかしいんじゃないかなと思ったのは、この金額が、実際に我々がといいますか、陣営が使用した金額ではなくて、一定の金額があらかじめ定められていて、その全額が、バスなども含めてですけれども、鉄道会社に払われている。とすると、何かそこにやはりむだがあるんじゃないか、こういうふうに思ったわけなんです。3回過去に選挙している間、そのむだを知らずにいたのは、私自身も不明ではございますが、まさかという思いをそのときしたわけでございます。
この金額、総務省さんが最終的にお払いになりました金額、総額では一体幾らになるんでしょうか、25万強の全体の金額というのはどうなりますでしょうか。

●高部政府参考人 平成15年11月9日に執行されました衆議院議員総選挙におきます特殊乗車券の後払い運賃として、現在までに、現時点でございますが、請求を受けた金額は約9930万円でございます。

●松崎分科員 確認いたしますが、今のは小選挙区だけということでございますね。比例区にパスはないということと承知しておりますが。

●高部政府参考人 衆議院の場合におきますれば、比例代表選挙におきましてはパスはございません。

●松崎分科員 参議院の選挙、それではどうでしょうか。ことしは参議院の選挙がございますので、当然、16年度予算に計上もされていると思うんですが、選挙区と比例区とに分けてお答えをいただければと思います。

●高部政府参考人 参議院の選挙区選挙の特殊乗車券の制度は、衆議院の小選挙区の制度と同じでございます。
それから、参議院の比例代表選挙の特殊乗車券につきましては、非拘束名簿式の選挙制度が導入された際に、名簿登載者を対象として創設されたところでございまして、全国を区域とするというような事情もございましたので、特殊航空券も交付、要するに飛行機ですね、飛行機も使えるようになっているということと、それから特急料金も含む急行料金、選挙区の場合ですと乗車賃だけなんですが、急行料金も無料となるといった点で若干制度が異なっているところでございます。

●松崎分科員 質問なんですけれども、その選挙区、比例区の場合、ことしの予算でも結構ですし、3年前の選挙の実績でも結構ですが、金額、選挙区、前回も非拘束式だったと思いますが。

●高部政府参考人 参議院選挙の実績を申し上げますと、13年の参議院選挙の実績が手元にございますので申し上げさせていただきたいと思いますが、概算で申し上げますと、比例代表の分が約1億円でございます。それから、選挙区選挙の分が約4700万円でございます。

●松崎分科員 ありがとうございます。
以上で事実関係は大体わかりましたので、次は大臣に質問させていただきたいと思うんです。
このパスの制度は、広く申せば選挙公営ということになりますけれども、いつ、どういう趣旨で始まったのか、パスについてとその他に分けて御答弁いただけたらと思うんですが、大臣には細かいことは余りお伺いするつもりはございませんので、選挙公営の目的とか意義といった点、できればお願いしたいと思います。
それから、時期等については、選挙部長さん、また補足で御答弁をいただければと思うんですが。

●麻生国務大臣 これは、それこそもう大分前の話で、松崎先生が生まれる前、昭和23年、議員立法で導入をされておる経緯があります。当時は今と違って、物というか、車自体も、ほとんど選挙で使っている方は裸トラックを使っているような時代でしたので、今のような時代とは全然違いますし、交通もほとんど鉄道に頼っているところが極めて多かったという時代にできておりますので、多分それが時代背景としては大きかった。
もう一つは、極めて敗戦直後の混乱の時期で、貧しい時代でもありましたので、選挙に要します金の制度やら何やらが、今のような政党助成金もありませんし、いろいろな意味で形が全然違っていたと思います。そういった基本的なことに関しては、ある程度援助、補助というものをやった方がより公平ではないか、多分そういう哲学がその背景にあったと推定をされるところだと思いますけれども、細目につきましては承知をいたしておりません。

●高部政府参考人 大臣の答弁を補足させていただきたいと思いますが、選挙公営制度はどういう目的かということでございますが、選挙の公営は、国または地方公共団体がその費用を負担いたしまして、候補者の選挙運動を行ったりあるいは候補者の選挙運動の費用を負担する制度というものでございます。
公職選挙法は、選挙運動について種々の規制を加えているわけでございますけれども、そういう中でありましても、選挙にはなお多額の経費を要して、それが選挙の腐敗につながるおそれがあるといったようなこともございます。そこで、金のかからない選挙を実現するとともに、候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段といったようなことで選挙公営制度が採用されているものでございます。
歴史をたどりますと、随分いろいろな歴史がございまして、一番古いのは、はがきの利用というのが大正14年に始まっておりますが、その次に、今問題になっております制度等をあわせまして、昭和23年に公営の制度がいろいろできておるわけでございます。その後、昭和50年あるいは平成4年といった形で公営の制度が充実されてきているというような状況でございます。
特殊乗車券につきましていいますと、今大臣から御答弁ございましたけれども、昭和23年、議員立法でされたところでございますけれども、それ以前にも、事実上の措置として、国有鉄道については割引乗車券が発行されていたようでございますが、この法律におきまして、これを法律上の制度といたしまして国有鉄道以外の交通機関にも及ぼしまして、かつ全額国庫負担したものと承知しております。これが昭和25年に公職選挙法が創設された際にも引き継がれまして、衆議院の選挙に加えて参議院あるいは都道府県知事の選挙にも適用されるようになったというような経緯でございます。
特殊乗車券の制度につきましては、広い選挙区を通じまして活発な選挙運動を行うためには、あらゆる交通機関を100%活用しなければならない候補者にとって交通費が大きな負担となっていたというようなことで、これを公費で負担するという趣旨で創設されたものと承知しております。
なお、この制度の導入とあわせまして、選挙運動用自動車等の使用台数の制限が図られておりまして、選挙運動用自動車等の乱用により選挙運動費用が多額になることを防止するといったことも当時の提案理由には言われているところでございます。

●松崎分科員 選挙公営の意義というのは、今の大臣の御答弁それから選挙部長さんのお話のとおり、その意義というのは広く認められてしかるべきだと思っております。公営による補助があるからこそ、資力にかかわりなく、また集金力にもかかわりなく、真摯に政治を考える者が立候補できるという民主主義の根幹だと思いますから、この制度は当然維持されてしかるべきだと私は思っております。
しかしながら、そうであればこそ、むだな出費を省く必要があるのではないかというふうに考えます。特殊乗車券、この制度はその最たるものではないかというふうに思います。例えば、実際に使用した区間、使用した料金を実費で弁償するというようなことであれば、方法はいろいろ考えられると思いますが、むだを省けるのではないかというふうに思います。
私はこのパスを見まして、1万7290円掛ける15の25万9350円という計算をしたときに、恐らく25万円ぐらいはむだにしているんじゃなかな、こういうふうに思ったわけでございます。もちろん、自分自身が請求しなければいいんですが、15枚を同時に使うというケースは実際あるわけですから、やはり使わせていただきたい。こういうふうに、制度としてはあった方がいいと思ったわけです。
しかしながら、そのやり方、運営の仕方でもっとむだを省くことができると思いますので、当選したら、ぜひこの制度の廃止を提案したいというふうに思ったんです。ですから、本日、この第二分科会のトップバッターとして役を与えられましたことを大変うれしく思いました。
大臣、ぜひこのむだを廃止する方向で御答弁をいただけないでしょうか。

●麻生国務大臣 松崎先生御存じのように、これは議員立法でできていまして、閣法とは少し違いますので、総務省がやめるとかやるとか言うことはなかなか難しいところですので、これは一回、議運なりそういうところでお話をいただかないと、こちらの方としてはなかなか言えるという種類の法律ではないという点もちょっと御理解をいただいて、実費払いとかいろいろなやり方はあるような感じはいたしますし、むだは省くにしかず、当然のことだと思いますので、今の時代に合わせてみると、もうちょっといろいろなやり方があるのではないかという感じが私の率直なところです。ちょっとここは議運等々で一度この話を持ち出していただいても、これは知っている人は余りいないと思いますね、正直なところ。そういった意味ではいい指摘だと存じます。

●松崎分科員 踏み込んだ御答弁、どうも大変ありがとうございました。
ちょっと選挙部長さんに確認なんですが、今、大臣、これは議員立法だということでございましたが、改正につきましても議員立法だったんでございましょうか。

●高部政府参考人 ちょっと今は手元に資料がありませんので、この種の公営制度の改正がすべて議員立法でやられているかどうかはわかりませんけれども、この種の選挙運動のルールづくりといいますか、公営のルールづくりにつきましては、やはり土俵づくりのようなものもございますので、各党間でいろいろ御議論をいただいて対応するというのがこれまでの通例だというふうに承知しているところでございます。

●松崎分科員 先ほど、衆議院の小選挙区についてはパスがあって比例区はない、参議院は選挙区も比例区もある、比例区は非拘束名簿になったときにあるということでございましたね。
それで、衆議院の比例区の場合も、政党選挙だからないという前提だとは思うんですけれども、やはり活動としては個人名で選挙をしていることになるわけですので、例えば昔の参議院拘束名簿式のときには、個人名でたすきをかけたりという選挙運動はできなかった。しかしながら、今の衆議院の比例の場合には、個人名でもたすきをして重複立候補して活動できるわけですから、この選挙区についてはないということについては整合性がやや欠けているんじゃないかなと思う部分もございます。
もちろん、私は、先ほど選挙部長さんの御説明の中にありましたが、参議院の比例区のようなところについては実際にかなり費用がかかるわけですから、やはり相当額、むしろパスといいますか、公営の制度があってしかるべきだったと思います。
いずれにいたしましても、大臣の御答弁にございましたように、時代状況が大分変わりまして、歴史的意義も薄れてきているテーマではないかなというふうに思っておりますので、この点につきまして、大臣御指摘のように、各党間でというようなお話でございました。これはまた私の今後の活動として努力をしてまいりたいと思います。
最後に、私の質問の趣旨は、必要なものは出す、むだなものは省く、こういう観点で、たとえ小さなものでも見直してまいりたい、それが私の議員活動の原点なんだということを、大臣それから総務省の方々、国土交通省の方々、そしてまた委員の各位にもぜひ御理解いただきたいと思います。
これを廃止という方向に持っていければ、衆議院の選挙につきましては1億円の国費が省略できるということでございますし、また参議院につきまして、仮に選挙区だけ廃止したとしても、やはり約5000万円むだが省けるということですから、そういう意味では、この質問をさせていただきましたことを機会に、ぜひ総務省さんの方も、いろいろ資料をおそろえいただくことを含めまして、議員立法ということであれば、議員の立法活動にぜひ御協力も賜りたいというふうに考えております。
きょうは私の初質問でございまして、全く不慣れなことでございまして、委員長にも御迷惑をおかけいたしましたけれども、御協力いただきまして、どうもありがとうございました。大臣にも踏み込んだ御答弁をいただきまして、大変ありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。

●植竹主査 これにて松崎哲久君の質疑は終了いたしました。

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