年頭所感(第70回2009年1月1日)

平成21年。2009年が明けました。旧年は福田内閣が政策的にゆきづまりながら総辞職、解散・総選挙を運命づけられた麻生内閣も失速し、世界不況へ打つべき手も打たないまま年を越してしまいました。新年がどのような年になるのかは、皆さまの選択に委ねられています。

自民党幹事長を務め、かつては名門派閥・宏池会を率いた加藤紘一氏は、「自民党は歴史的使命を終えた」と語っています。戦後の復興から経済成長を成し遂げ、米ソ冷戦が終わるまで、「平和と繁栄」の半世紀を指導してきたのが自民党でしたが、1990年代以降の新たな局面に対応できないでいるのです。小泉元首相はそういう「自民党をぶっ壊し」、新しい政治を目ざしましたが、彼の「改革」は日本をアメリカ化し、競争激化の社会に変貌させることであって、「格差と貧困」を日本中に撒き散らし、安心・安全とは対極の拝金主義ですさんだ世の中にしてしまいました。


◆ ぬくもりのある中流社会を再建する ◆

高度成長は「日本的経営」によって成功したのです。エズラ・ボーゲル教授の『ジャパン・アズ・ナンバーワン』が描いたとおり、自分を中流だと思う人々が大半だった日本人。今はちょっと苦しくても、「まじめに働けば明日はよくなる」と信じられる社会だったからこそ、経済に力強さがあったのです。企業も同じです。業績が悪くなっても雇用を守る不文律。社長と平社員が同じ社員食堂で昼食をとり、年収の差も欧米経営者の10分の1以下だった事実が活力を支えたのです。

私たちは本来の「日本のよさ」を思い出し、そこへ回帰する必要があります。グローバル化の美名のもとに、「強欲な資本主義」へと舵を切ってしまった自民党政権は、政策の失敗を潔く認めて退場すべきです。1月か4月か、それとも任期満了か。時期がいつになるにせよ、すでにカウントダウン(秒読み)は始まっているのです。

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