11月以降、民主党政権になったら(第67回2008年10月2日)

国民生活の「仕組み」が大きく変わります。政治や行政を官僚主導のままにするのでなく、主権者である国民自身が決める仕組みを選ぶことなります。つまり、国民は官僚が決めたとおりの生き方を強いられていた時代から、税金を払う額も使い途も、自分たち(の多数)で決められる世の中になるのです。

自民党の政権運営は、「官僚主導」の仕組みに頼り切りでした。だから、変えようにも変えられないのです。小泉元首相の「構造改革」は、変えようとした意欲は認めますが、方向性が間違っていました。ゆきすぎた規制緩和で、格差が拡大し、日本社会の強みだった中流層の厚みが崩壊してしまいました。中央と勝ち組を優先した結果、強い者が突出して強くなり、大きい団体や企業はますます力をつけましたが、弱き者、中小、そして地方は生き残ることも難しい時代です。

安倍・福田の2代の後継首相は、昨年の参院選の結果の形で示された「国民の悲鳴」を聞いたものの、どうにも出来なくて政権を投げ出してしまいました。現状の仕組みは、自民党と官僚が築き上げてきた「官僚主導の自民党政権」のもとでは変えようがないのです。

民主党が政策を掲げると、「財源はどこにある?」と、与党やマスコミは批判します。「街の声」を聞いても、その趣旨での発言を耳にします。それは官僚のマインドコントロールなのです。この呪縛(じゅばく)から解き放たれなくては「国民の生活が第一。」の政治・行政は実現しません

 

◆ 財源はどこに? いくら? ―年間212兆円あります ◆

一般会計と特別会計を合わせた国の総予算は年間212兆円にのぼります。ここから、最優先に必要な政策経費をまず計上し、その後に、優先順位にしたがって経常経費にあてていきます。各省の官僚が積み上げ、財務省が査定して調整した予算原案の残りが「財源」ではないのです。つまり、官僚主導だった自民党政権では変えたくても(変えたいかどうか分かりませんが)変えられない予算編成が、政権交代後の民主党政権では大胆に組み替え可能なのです。ですから問題は、財源があるかないかでなく、民主党が提示し実施する優先順位が主権者たる国民の希望と合致しているかどうかの結果の評価だということです。民主党政権が11月に誕生したら、12月の予算編成で、まず8.4兆円の最優先政策を実現します。来年は14兆円に増やし、その実施後の2010年7月に参院選があります。最初の信任投票はそのときです。つまり国民の皆さまの望む政治は、今度の総選挙と、2年後の参院選で決めることができるのです。

 


 

民主党の総選挙マニフェスト―新しい生活をつくる5つの約束


小沢一郎民主党代表は、10月1日午後、衆議院本会議の「代表質問」の形で、今秋の総選挙で民主党政権が成立した場合の「政権公約」を発表しました。その中の「5つの約束」は次のとおりです。

 

第1の約束は、官僚の天下りと「税金のムダづかい」をなくし、税金を官僚から国民の手に取り戻すことです。一般会計と特別会計を合わせた国の総予算212兆円を全面的に組み替え、また、過去の税金などの蓄積であるいわゆる「埋蔵金」も活用して、国民生活を立て直すための財源を捻出します。国からのひも付き補助金は廃止して地方に自主財源として一括交付するとともに、特別会計、独立行政法人などは原則廃止いたします。また当面は、特別会計の積立金や政府資産の売却なども活用します。

これらにより2009年度には8.4兆円、10年度と11年度はそれぞれ14兆円、4年後の2012年度には総予算の一割に当たる20.5兆円の新財源を生み出すことができます。また、このように税金の使い方を変えることを担保するために、多数の与党議員が政府に入り、政治が役所をコントロールできる制度に改めます。

自民・公明政権の下で、所得の減少と不景気の物価高に喘(あえ)いでいるほとんどの国民は、家計のやりくりでもまずは、ムダを省くことを心がけ、実践しているのではないでしょうか。それと同様のことを、国ができないはずはありません。それができないなどと言うのは、既得権益を死守しようとするための屁理屈に過ぎません。

第2の約束は、年金加入者全員に「年金通帳」を交付し、「消えない年金」「消されない年金」へと、システムを改めることです。もちろん、「消えた年金記録」は国の総力を挙げて正しい記録に訂正し、国が責任を持って全額支払います。

また、国民を年齢で差別する後期高齢者医療制度は廃止し、被用者保険と国民健康保険を段階的に統合して、将来の一元化を目指します。さらに、医療を機能させるため、医師は五割増やし、看護師、介護従事者などの不足を解消します。

第3の約束は、子育ての心配をなくし、教育のチャンスも公平に与えられるように、子ども一人当たり月額2万6千円の「子ども手当」を、中学校卒業まで支給します。公立高校の授業料を無料化するとともに、私立高校、大学なども学費負担を軽減します。また、働き方や家庭の実情に応じた多様な保育サービスを支援していきます。

第4の約束は、雇用の不平等をなくし、まじめに働く人が報われるようにします。具体的には、パートや契約社員を正規社員と均等待遇にすると同時に、2ヵ月以下の派遣労働は禁止します。また、中小企業を支援しながら、最低賃金の全国平均を時給1000円に引き上げていきます。

第5の約束として、農林漁業の生活不安をなくし、食と地域を再生します。そのために、農業の戸別所得補償制度を創設し、林業と漁業についても独自の所得補償制度を検討します。また、汚染米の全容解明と責任の追及はもちろん、食品安全行政を総点検、一元化して、食の安全を確実なものにします。中小企業については、法人税率を原則半減することなどによって再生させます。

 

ガソリン税などの暫定税率は来年4月廃止。高速道路無料化、子ども手当は一部実施の上、2年間で完全実施します。緊急経済対策としても大きな効果が見込めます。

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