ガソリン25円、軽油17円が安くなる!?(第55回2008年2月1日)

◆ 自民党、奇策を断念―暫定税率つなぎ法案 ◆

ガソリンの値下げを阻止する目的で提出された租税特別措置の「つなぎ法案」は、1月30日、自民・公明両党の強行採決により衆議院財政金融委員会で可決されました。しかし、直後に調整に乗り出した河野洋平衆議院議長の裁定により、本会議開会を待たずに撤回で合意しました。29日に議員提案で提出され、翌朝、与党単独かつ僅か80分の質疑で採決に至るとは、国会の慣例を無視し、余りに良識を欠いた暴挙でした。

つなぎ法案とは、ガソリンに25円10銭の上乗せ課税している現行の暫定税率(正確には軽油引取税17円10銭や、他に関税などの減税も含めた特別措置)を2ヵ月延長するものです。民主党など野党が世論の後押しを受けて参議院での採決を延引した場合、4月1日以降、衆議院で再議決するまでの間は値下がりするので、その状況を回避するために編み出した奇策です。過去に4回、解散・総選挙で法案審議が出来ない時に限って採られた措置で、会期中の平時としては異例で許されないものです。

理不尽な先例が作られなかったことは多とすべきですが、民主党も「年度内に」「修正」を含む「一定の結論を得る」ことへの合意を余儀なくされました。これで値下げが不可能になったわけではないものの、暫定税率の可否、道路特定財源の一般財源化の是非、59兆円(10年間)の中期計画の見直しなどを審議する過程で「25円の値下げ」を実現するためには、世論の圧倒的支持が不可欠です。有権者は怒るべきです。自分たちの税金は自分たちで決めることが当たり前になる社会が、市民が主役の政治なのです。

 

◆ 政府・自民党は「国民の生活」を無視 ◆gasoline.jpg

私たち民主党は「暫定税率を撤廃すれば、ガソリンは25円安くなる」と訴えてきました。ご承知のようにガソリン代の4割は税金で、しかも、そのうちの25円10銭は、本来の税率に一時的に上乗せされているのです。本則は揮発油税24円30銭、地方道路譲与税4円40銭、石油石炭税2円04銭と消費税5%で、これに暫定税率が揮発油税24円30銭、地方道路譲与税80銭の計25円10銭も加えられています。店頭価格が1リットル150円の場合、ガソリン本体の87円02銭と税金55円84銭の小計142円86銭分の消費税が7円14銭で、税金だけで62円98銭となります。

暫定税率は1974年、福田赳夫大蔵大臣の時代に導入され、2年間の時限立法で成立しました。その暫定措置を、延長を繰り返して34年も続けてきた政府・自民党は、取りはぐれのない便利な税金として今後さらに10年間も取り続けようとしています。

昨秋来、国際的な原油高でガソリン価格が高騰していますが、これはマイカー利用者だけでなく公共交通や営業車にも影響がありますから、流通コストを引き上げ、庶民の生活や仕事に大きな打撃を与えます。

ガソリン代が家計を直撃している今、暫定税率を廃止して値下げするのが「天の声」です。この税金は3月31日で期限切れになり、延長を認める租税特別措置法は、民主党が多数を制している参議院では否決できます。しかし、給油新法のように与党が衆議院における3分の2の数の力で再議決して、庶民の切実な願いを踏みにじろうとしているのです。

 

◆ 地方は困らせない―暫定税率は撤廃し、自主財源を増やす ◆

政府・自民党は暫定税率を維持しないと「道路が作れない」「開かずの踏切対策ができない」と宣伝していますが、必要なことを今まで実施せずにいた責任を棚に上げて、よく言えるものだと思います。緊急なものは本則の24円30銭分で作れますし、必要な分は必要な順に進めればよいのです。アメリカ政府は景気対策として16兆円の減税を発表しましたが、「国民の生活」に直結したガソリンの値下げは、消費を刺激する効果も大きいのです。

「地方が困る」と批判する人がいますが、誤解です。暫定税率の撤廃により2兆6千億円の税収が減りますが、そのうち地方分は9千億円です。民主党の税制改革大綱は国の直轄事業の地方負担分を1兆円減額し、その分を地方の自主財源化することを決めていますから、道路整備等の従来水準を維持することは可能です(必要度・緊急度の低い道路は当然、見直さなくてはなりません)。つまり暫定税率の廃止は、むしろ地方の自主財源を増やし、地方分権を進める第一歩なのです。

民主党の「ガソリン25円値下げ」の提唱は世論調査で70%以上の支持があります。この人気の高さを恐れて、政府・自民党は「地方の不安」をあおっているのです。地方の首長や議会は暫定税率の維持を大合唱するのでなく、本格的な税体系の見直し、すなわち地方の自主財源の拡充を要求するのが筋なのです


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