天下り廃止で官僚がやる気を出す!!(第82回2009年8月31日)

民主党が「マニフェスト」でお約束している天下りの廃止は、熱狂的支持を受ける一方、「官僚の協力がなくて政権運営ができるのか」という不安を指摘されることもあります。そこで疑問にお答えしますので、「政権交代。」へのご期待をいっそう強く持っていただきたいと思います。

官僚が優秀なのは間違いありません。しかし、「お役所仕事」とか「官僚答弁」といった言葉に表わされるように、官僚は庶民の感覚とズレていることが多く、「国民の生活が第一。」という信条で動いているようには見えないのも確かです。なぜなのでしょうか。

官僚は大学を優等で卒業し、難しい試験に合格して入省します。採用・配属を決めるのは「文書課長」といった超エリート官僚ですが、この結びつきは一生続きます。新人官僚は国家のため、国民のために志を高くもって公職に就きますが、最初の10年程は種々のポジションを転々として研鑽をつむ毎日です。10数年後、彼らは課長補佐に昇進して、行政の第一線を担います。いよいよ志を実現できると思ったのも束の間、期待は裏切られます。地域や人びとの要望を理解して、法律や制度を改正しようとしたのに、局長からダメと言われます。その改正で先輩たちのメンツをつぶすからというのです。国民の生活や仕事よりも省益とか役所の都合を優先する――若く、意欲に燃えた官僚たちがこの論理に染まりはじめる頃、「天下り」を意識するようになるのです。

天下りを意識して庶民感覚とズレる

志を持ち続けて、自分が局長になったら国家のため国民のための政策を作ろうと思っている官僚たちもいます。しかし、実際に局長や事務次官になっても、「上には上」があるのです。各省OBには退官後の人事を支配しているドンがいて、現役の官房長などを使って天下りと渡り先を決めています。つまり、そのルートに乗れるか否かを意識すると、「国家・国民のため」が「省益と自民党のため」にすりかわっていくのです。

民主党が天下りを廃止するのは、この桎梏から意欲ある中堅・若手の官僚たちを解放することなのです。現状の政策課題に熟知した有能な彼らに、その意欲を引き出させることで日本の政治は変わりはじめます。官僚まかせの自民党議員とは違って、民主党の議員は民意を吸収する役割を果たします。そして官僚と党は、決して敵対関係にあるのでなく、緊張感をもった協調関係を樹立するのです。「政権交代。」は、そのためにこそ必要なのです。

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