民主主義のパラドックス(2010年12月13日)

僭主(せんしゅ)の登場を警戒した古代ギリシアの民主政治は、強いリーダーシップを持つ政治家が現れると、陶片にその名を記して投票し、数の力で国外に追放しました。これをオストラキスモス(陶片追放)といいます。

強力な指導者を次々に失ったアテナイは衰退し、やがてローマ帝国の属邦に組み込まれてしまいます。僭主制を恐れるあまり、いわば世論に拒否権を与えて国益を損なった例が、民主主義の伝統に隠されているのです。

(『プレス民主』2010年12月3日発行 245号)

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