増税反対、新党結成へ(2012年7月1日)

 6月26日の衆議院本会議で、私は反対票を投じました。民主党は自民・公明と談合していましたから「可決」され、後は参議院に舞台が移ります。しかし、反対の57名に加え欠席・棄権が16名(いずれも民主党議員で)にのぼり、党・政府の思惑に順った投票をしなかったことは、この増税が歴史的に誤った政策であることを物語るものです。

 採決の前後から、新聞・テレビは「民主党の今後」について頻りに予測・推測を取りあげています。私はその渦中にいますので、取材を受けたりテレビに出演する機会も増えました。また、いわゆる小沢グループの「新しい政策研究会」を代表する立場での発言を求められることも多いのですが、何より主張したいのは、この問題は党内抗争や権力闘争といった次元でなく政策論争なのだということ。皆様にはそれを理解していただきたいのです。

 増税は不可避でない!

 日本経済がデフレで苦しんでいるこの時期に、消費税を引き上げることは経済政策として間違っています。国民の多くは、社会保障の充実のためには消費税の増税はやむを得ないと思っているようですが、それは財務省の一方的な言い分に過ぎません。

 税率を上げても、景気が悪化し税収が増えなければ、何の意味もありません。デフレ対策を重視し好況になれば、税率は同じでも税収は増えるのです。1991年に61兆円だった税収は、政権交代時の2009年には38兆円まで減り、2010年度の予算編成を苦しませました。その後2011年度は43兆円まで戻りましたが、これを50兆円規模に回復させることが出来れば、消費税率5%アップと同じ水準が自然増収で達成できるのです。

 私たちが「増税の前にやるべきことがある」と主張すると、何をやるのかを具体的に聞かせてほしい、との質問を受けます。私は6月16日の若葉駅前広場の街頭演説でもお話いたしましたように、1)政治や行政の身を切る姿勢、2)逆進性対策、3)社会保障との一体改革、4)デフレ脱却のための成長戦略が優先、というのがその答えです。

 しかし、「民主党は政権交代後3年になるのだから、今まで何をしてたんだ」というご批判も聞きます。その方たちへ、私は胸を張って言います。「たしかに民主党は失敗もしたけれど、多くのことを実現してきました」と。

 たとえば、責任者として私が直接たずさわった文部科学部門の政策には1)高校授業料の無償化、2)私立高校生への就学支援金、3)少人数学級の実現、4)大学奨学資金の充実、5)科学技術政策の重視、6)若手研究者対策の充実、7)科学研究費の基金化、8)学校耐震化の推進、9)放射線基準の厳格化(20ミリシーベルト→1ミリシーベルト)、等々があります。また、国土交通部門の責任者としては、関越高速道のバス事故に関し「ゆきすぎた規制緩和」で急増した高速ツアーバスの事業形態の見直しが最後の仕事となりましたが、ムダを排除しつつ成長に資する国土交通政策の追求を徹底したとの自負があります。港湾、海運、鉄道、道路、都市・住宅の分野では列挙できないほどの政策決定にたずさわりました。

 他のマニフェストは実現できたか

 自民党政権時代に削減を続けた社会保障費の内、診療報酬や介護サービスについては見直して現場を重視し、野党の攻撃で迷走させられた子ども手当はともかくも社会全体で子育てを支援する原則を確立できました。農業の戸別所得補償制度は、規模拡大と経営収支の改善は概ね目標を達成していると評価されています。もちろん実現困難になった課題もあります。ガソリンの暫定税率廃止は2009年度の歳入欠陥が直撃して原油価格高騰時のトリガー条項を残して撤回を余儀なくされ、高速道路無料化は2年間の社会実験の実施後、必要な予算を東日本大震災の復興財源へ回すために被災者関連を除いて断念せざるを得ませんでした。

 それでも、細分化でサービスが低下し、経営の困難も増した郵政事業を見直した郵政改革や地域主権改革推進のための一括交付金(2011年度は5,120億円、2012年度は8,329億円の補助金を一括化)が実現したことは、政権交代の根幹にも関わる大きな成果だといえます。

 しかし、それらの努力を一挙に無にしてしまうのが、消費税増税なのです。消費税率の引き上げはマニフェストに記載がないだけでなく、その無理筋の実現のために「最低保障年金」の導入や「後期高齢者医療制度の廃止」まで撤回を迫られました。かろうじて首の皮一枚を残して国民会議の協議事項となりましたが、その本当の意味が棚上げ・先送りであることは誰もが知っています。

 民主党は、残念ながら立党の志を失ってしまったようです。「国民の生活が第一。」と考える政治を実現するには、この党を離れるしかない。有権者の皆様の厳粛なる負託に応えるために、もはや結論は一つしかないと思えてなりません。

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