脱原発を決定する責務(2012年9月28日)

 通常国会が事実上の最終日を迎えた9月7日、『国民の生活が第一』は、新党きづな、社会民主党、改革無所属の会、減税日本、新党大地・真民主と共同して、『脱原発基本法案』を提出しました。

 自民党は安倍新総裁だけでなく、総裁選に出馬した全候補者がすべて原発推進派です。民主党は「2030年代の原発稼働がゼロを目ざす」とし、野田内閣はその線で「エネルギー・環境戦略」をまとめたものの、経済界等からの批判を受けて閣議決定を見送り、「参考文書」に格下げするという失態を演じました。

 もちろん、30年代つまり39年までに稼働をゼロにするという目標を掲げる人たちを、真の脱原発派と称することは出来ません。国民の8割近くが「原発ゼロ」を望んでいる事実を脅威に感じて、脱原発を装おうとしているに過ぎないからです。しかし、政府の対応が一日にしてブレたために、真の脱原発派と偽の脱原発派を見分ける手間が省けたといえるかも知れません。

 私たち『国民の生活が第一』は、あくまでも達成可能な目標として「10年後を目途に全ての原発を廃止する」としています。「稼働をゼロ」ではありません。再稼働は原則として認めないのですから、もっと早期に稼働はゼロになるはずです。残念ながら大飯原発の2基は再稼働させてしまいましたが、電源構成、燃料調達、技術革新の進捗度を見ながら、廃止を確定していく期間を可能な限り短縮するのです。

 原発を代替する電源構成を、ただちに再生可能エネルギーに頼ることは無理なので、当面は天然ガス・コンバインドサイクル発電と高効率石炭火力発電への置換(リプレース)を促進することで実現し、その後に順次、再生可能エネルギーの比率を高めるべきと考えます。(詳細は http://matsuzakit.jp/article/14537023.html 「基本政策検討案」で参照可能です)

 今こそ政治の決断が必要

 私たちは日本の技術革新の力を確信しています。上記の天然ガス・コンバインドサイクル発電は日本企業が優位性をもつ世界最先端の技術であり、すでに各電力会社が実際に発電している方式です。さらに、洋上風力発電やリチウムイオン電池による蓄電、省エネルギー技術などの組合せによって全く新しい地平を開くことも可能になります。要は、その障害を取り除くための諸課題の解決を政治が決断するか否かです。

 9月7日の5会派6グループが共同提出した『脱原発基本法案』は、市民グループの提言を引きついで各会派で修文・起草したものですが、3月11日に起きた重大事故から何を学び、どのような責務を負い、そして今、為すべきことは何かの歴史認識を示したものです。「政治」が問われているのは、まさに「脱原発」を国家の意思として明確にすることである、と宣言したものです。

 法案の全文は http://matsuzakit.jp/article/14534926.html 「脱原発基本法案を提出」に掲載してありますが、特に「前文」を是非、ご一読いただきたいと思います。条文は9条のみですが、原発を廃止する大方針を「閣議決定」以上の法律で定めることに大きな意義があります。第3条で脱原発の実施時期を「遅くとも、平成32年から37年(2020年から25年)までのできる限り早い3月11日までに」と定めていますが、これは様々な意見をもつ各会派が合意できる幅をとったものであり、提出会派のすべてがそこまで容認しているという意味ではありません。『国民の生活が第一』は8月1日発表の「三つの緊急課題」で「10年後(すなわち2022年)を目途」としていますが、その後の議論で更に短縮できないかを検討しています。

 

※従来、この項目のタイトルは「近日雑感」でしたが、今後は「近日偶感」に改めさせていただきます。

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